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潮来 2009年6月13日

ご近所のブログで潮来の賑やかな写真を見たので、行ってみたくなった。以前潮来へ行ったときは、もう花菖蒲の盛りは過ぎて静だった。今日は一番見頃だから混んでいるだろう…………などとおもいつつ地図を調べていたら近くに古木の名所がある。なんだか花菖蒲よりそっちが気になりだした。「潮来の大欅」と「八代の大椎」だ。

午前中は畑仕事と地デジのアンテナ工事があって、家を出たのは11時頃。どうも出がけに動物の事故死に出遭うのだが、今日はウグイスだった。車とぶつかったのか、嘴の付け根に血が見える。

歩道にウグイスの死骸脇の草地に移し、南無南無

途中のコンビニで昼食のおにぎりと発泡酒を買い、北浦大橋を渡って北浦右岸から延方へ出るルートを行く。

浅間緑地環境保全地域
南下する途中に、深い森に覆われた小山がある。以前から気になっていたので今日は見てみる。「浅間緑地環境保全地域」と看板があるが、要は古来から浅間神社とか浅間山と呼ばれていた一帯を自然保護区にしたようだ。苔生して急な階段を登った。。

浅間緑地環境保全地域浅間神社
富士大神とはあまり聞かない名前だがささやかな御手洗
拝殿 奥に本殿がある

冬に訪れた白鳥の里でちょうど12頃だったので昼食にする。この時期は白鳥もいないが人もいない。日差しは暑いくらいだが、広い北浦を前に静かでいい。ときどき飛来するツバメを見ながらのんびり昼食。

白鳥の里で昼飯鳥もひともいない→冬はこんなだった

腹ごしらえがすんで、県道へ戻るとすぐに小豆色の楼門が人目を引く寺があった。あとで調べると源義家に端を発する由緒ある寺らしいが、いまの外観は当方の嗜好に合わない。表から写真を撮って通過。

愛染院根本寺

延方で県道51号に合流。とたんに車の数が多くなり、自転車は肩身が狭い。

鹿嶋吉田神社

鹿嶋吉田神社相撲が名物

潮来へ向かうとすぐに右側に鳥居があった。参道が一直線に延びていて、誘われるようだった。予定にはなかったが訪ねてみた。JR鹿島線をくぐってどんどん北へ。300mほどで写真の二の鳥居がある。

神殿前に相撲の土俵奉納相撲は毎年7月の最終日曜日

潮来の大欅 素鵞熊野神社

おそらく元の木は倒れて、残った部分が新たな樹幹を構成しているようだ。古木にしては樹勢があって若々しい。

大欅の奥に階段の参道が立ち上がっている。

素鵞熊野神社

階段を上りきると正面に神殿、左脇にまだ新しい鎮座八百年の石碑が建っている。左側奥に摂社群がまとめて外屋に納めてある。摂社とは別に幸霊殿があるがどういう意味のものか? 若宮のような位置づけか。

摂社群幸霊殿とは?

摂社方向から見た境内では失礼

八代の大椎
本日最大の目標「八代の大椎」は、潮来の稲荷山の北1キロほどにある。51号は潮来市内を迂回して稲荷山の北側を乗っ越すが、その頂点で北に分かれて住宅街の中を進む。住宅が農家に変わってしばらくすると、右手にいまが盛りのアジサイの花壇があり、「八代の大椎」の看板が見えた。

本道から右に入ってすぐの二股に小さな森のような大椎の茂みがあった。

このスダジイは神明神社のご神木となっているのだが、周囲に神社らしきものはない。あるいは、ここ自体が神社なのか。祭神はオオナムチ、つまり大黒様。

樹勢の衰え覆いがたく、手当の跡があちこちに見える。

旧本体?

本日の本命はやや傷ましい姿であった。この椎のさらに100mほど先に鳥居が見えたので訪ねた。

国神神社

国神神社 鳥居11月23日に獅子舞が奉納される

同年配のオジサンが孫を連れて境内を散歩していたのでしばらく立ち話をした。今年、3月に引退したばかりで、退屈しのぎに神社周辺を歩き回っていると話していた。まだ定年後遺症から脱していないようだった。

国神神社
キンシバイ野生化したアルストロメリア

そのまま潮来市内へ戻るのもつまらないので、途中で適当に右折して坂を下り、常陸利根川河岸へ向かった。51号に出会ったところに、「観音寺」の標識があったので訪ねてみた。

観音寺

案内に従って道をたどると、すぐに人家は絶えて田圃のなかの道を進む。その道が山間に途切れるかとおもわれるところに、周りを山に囲まれて観音寺があった。

観音寺 本堂

質素な本堂。強大な権力者の庇護のもと贅を尽くした寺とはまた違う味がある。

本堂脇の僧像

前回の大福寺に続いて、本堂脇に置かれた僧像を見て思ったのだが、あるいはこれは本堂を守る僧を象徴する一つの様式ではないか。

本堂脇の澄んだ水槽
側面背面

いいお寺だ。思わぬ拾いものをした気分。

さて、覚悟をして潮来市内へ戻ろう。混んでいるだろうなあ。

前川あやめ園
まず潮来大橋より上流にある浅間下あやめ園をみてから、前川あやめ園へ向かった。最盛期だから、ご覧の通りの賑わいだった。蛇足だが、“あやめ”園となっているが、ここに植わっているのはすべて花菖蒲でありアヤメではない。“ショウブ”という強い語感より“アヤメ”の柔らかな響きを選んだのだろう。

花の盛を見たくて来たのだが、どうも人混みは苦手なので、あやめ園は早々に退散して、長勝寺へ。ここは前回来たとき気に入っている。

長勝寺
あやめ園の中央に掛かる大きな太鼓橋から北西へ真っ直ぐ、稲荷山方向へ500m進むと長勝寺だ。 頼朝開基、光圀復興。あやめ園に間近のこの寺を訪ねる人は少ない。緑に染まる静かな境内を楽しませてもらった。

総門を入りサクラの木陰道を進み
楼門(三門)をくぐりさらに木陰道を進むと
撮ったときは気づかなかったがこの傘の人は?長勝寺本堂

百姓屋が背伸びしたような本堂は茅葺きの屋根と花頭窓とを組み合わせて人格化したくなる。本堂の佇まいが人の顔を思わせるのは無量寿寺のときも感じたが、あちらは花魁、こちらは武人か。

本堂屋根下の組物斗栱 三手先
勢至堂脇のボダイジュ勢至堂

花盛りのボダイジュが芳香を放ち、チョウやハチが飛び回っていた。

帰途は別のルートにしようと思っていたのだが、北浦右岸の道は車が少なく快適だったので同じ道を戻った。11時出発、帰着17時半。

  
   
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