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| 薮刈り 2009年8月9日先週は泊まりがけで、以前住んでいた町の納涼祭の手伝いにでかけた。人手は十分あって別に手伝う必要もないのだが、祭りは準備段階から参加しなくては充実感がない。ぼくは長いことビール売り場の担当だったので、あとを引き継いだSさんに、いささかのノウハウなどを伝授しつつ、楽しい時間を過ごすことができた。引っ越して別の町の住人になったわけだが、昔の仲間は何の区別もなく受け入れてくれる。町会の先輩からは、毎年お盆だと思って帰ってこいと言われ、東京生まれで帰るべき“田舎”をもたないものにとっては、意外な発想にうれしくなった。思えば人生の半分近くを住んでいたのだから、仮想田舎ができたようなものだ。 今週は自転車散歩は止めにして、家の周囲の薮を刈ることにした。家の東は隣家、北は公道で、西と南は薮である。この薮は、相当な威圧感がある。周囲が人家の都会では信じられないだろうが、我が家は陸の孤島ならぬ薮の孤島状態。西側から一巡すると、こんな具合。
庭の畑は、塀越しの強勢な薮に取り囲まれて怯えている。このままだと日当たりは悪くなるし、蔓性のクズ、キヅタ、ヘクソカヅラ、スイカズラなどが侵入してくるほか、塀際で異常に丈の伸びたセイタカアワダチソウ、アレチマツヨイグサ、オオアレチノギクなどが、畑の中に種を振りまくことになる。
西側の薮はフェンスの意味も込めて刈らない。それを掻き分けて中にはいると、外来種の宿根アサガオを植えてある。そのためにここは何度か刈り込んだ。
道具はいくつか試して、結局、刈り込み用のハサミにした。最初は、アズマネザサの根元をこれでズバズバ切ればいいと思っていたが、そうは問屋が卸さない。すでに何度か刈り込まれたササは、切り株が生長すると、切り口に小枝が密生し丁度竹箒を逆様にした形になる。そこへ蔓性の植物が絡まるものだから、樹冠?が蔓に編まれてネットワークが形成される。つまり、ササの根元を切ってもササはそのままネットワークに保持されるので倒れない。しかたないので、二度手間、三度手間だが上から徐々に刈り込むしかない。
あとはひたすらアコーディオン弾きのように、ハサミをあおって刈り続ける。
上の2つの写真が朝の部の成果。7時半ころからはじめて2時間くらいか。西側はアサガオのために手が入っていたのでその分楽だったが、逆に一度刈りこんで放置した薮はますます刈りにくくなることもわかった。 最後の西南のコーナーで薮の海の中にかろうじて生き延びたススキの株を発見。これを保護することにした。ははは。保護などとは人の勝手な言い分だが。以前の家では、周囲にススキを生やそうと種を蒔いたり、根を移植したり何度も試みて成功しなかった。その思いがあるので、こいつは残す。 薮の中は日が射さないから地面近くは枯れ木枯れ草ばかりなのだが、その茶色の中にツバキの幼木を見つけた。ここまで生長するのに、薄暗い薮の中で何年を過ごしたのか。普通の植物なら育たないし、育ってもひょろひょろに徒長した姿になるはすがだが、しっかりした樹形と、この艶やかな緑。ヤブツバキの面目躍如。
9時半頃になって、気温が上がり、腰に吊した蚊取り線香が燃え尽きて蚊の猛襲もはじまったので、朝の部はこれまで。シャワーを浴びて昼泡の前借りをしたことは言うまでもない。 昼に一時雨が降ったがすぐに止んだので、薮刈りを再開。まずススキの株の周囲を刈りまくったが、これが今日の最難関だった。この株を覆うようにノイバラの茂みが覆い被さりり、それにさらにスイカズラやミツバアケビがこんがらがって、この周囲の平定だけで2時間近くかかってしまった。 ただ、そこから先、南西コーナーを回った先は意外に刈りやすかった。セイタカアワダチソウが多く、そういうところはアズマネザサが少ない。無論、前者が刈り易い。どちらも強いアレロパシーを持っているが、セイタカの毒が勝るのだろうか。そのなかに、3〜4mまで徒長したナノハナやアレチマツヨイグサがある。
中程にササ薮の上をクズが覆って小山のようになった箇所がある。ここは少し離れているので直接刈りこむことはしなかったが、この辺りが午後の部の最難関。
この薮の小山を刈っていて、太い蔓に行き当たり、鋸を取りに戻ろうとしたとき、庭の塀際に植えてあるビワの木を見て驚いた。鳥の巣がある。またヒヨドリだ。何日か前からこのビワにしきりにヒヨドリが止まるので、もしやとは思ったが、前回のカエデよりさらにすかすかで見通しの良いビワに巣はかけまいと決め付けていた。カエデの時はまだ茂みの中だったが、いくら薮側とはいえ今度のはほとんど丸見え。ヒヨドリは大胆なのか戦略なのか。 ときどきこうしたトピックはあるものの、あとはひたすら、腕力と体力の勝負。ササの根元にハサミを食い込ませてザックリやりながら思ったのだが、歳をとると心体の衰弱は当然だが、なにかにつけて“全力勝負”ができなくなるということ…………
東端にたどり着いたときは、へろっへろだったことは言うまでもない。何百本のアズマネザサを剪断したことであろうか。植物から見ればジェノサイドである。人の身勝手申し訳なし。でもまあ、終わった。 あとで巣を確認してみると前回と同じくらいの雛が三羽、餌を求めて盲目の頭を振っていた。午後はこちらの邪魔でろくに餌をもらっていまい。まずいタイミングでの藪刈りになった。 これを書いている翌日、台風の影響で土砂降りだが、気をつけてビワの木を見ていると親鳥は巣を放棄せずに餌やりを続けていた。ほっとする。 追記 SH902iS → SH-05A この写真は新携帯SH-05Aで撮った。いままで使っていたのはSH902iS。写真を撮り始めるまでの手間、撮影条件を変更するための時間、シッターを押したあとの保存時間、いずれをとっても、夢のように素早い。 解像度は3メガから8メガへ。どうせVGAサイズでしか撮らないので、画質の違いはレンズ/CCDと後処理の画像エンジンの差。今回の写真では、花などのアップと違って画質の差はさほどわからないが情報量は大分増えているようだ。 この携帯を選んだ最大の決め手は防水仕様。風呂に入る習慣はないので、湯船でワンセグはないが(もっともこの辺はエリア外)、雨が多少降っても、海辺で飛沫に濡れても気にしなくて済む。今回は、終盤、雨が降り出したので初っ端から防水仕様が生きた。 SH902iSだと手振れを防ぐにはスポットAFを使うしかなかった。携帯のヘソボタンでは、シャッターを押す動作でどうしても携帯が動く。そのためスポットAFの焦点合わせの時間を利用して、シャッターを押す動作とシャッターが切れる瞬間を分離する手管を使った(今回のは手ブレ補正もあるがオンにすると保存時間が長くなる)。いざ撮ろうとすると、スポットAFへの設定変更でしばし待ち、シャッターを押してから自動でピンが合うまでしばし待ち(息を凝らして)、それから、メモリへの保存でしばし待ち…………と、SH902iSの撮影は、なにごとも忍耐の世界だった。今度のはAF自体も速いが、接写が含まれている(前のは接写のAFはなかった)のがうれしい。これで散歩の所要時間が2〜3割方短くなるかもしれない。ははは。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||