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大洗・那珂湊 2009年10月4日

以前から大洗は気になっていたし、ついでに少し足を伸ばせば那珂湊がある。どちらも行ったことはあるが、鹿嶋へ移ってからはない。途中、樅山まではすでに農道ルートは分かっているが、その先は素直に国道51を行くことにする。

国道はおおむね両側に広い歩道があるが、子生(こなじ)の厳島神社から先は道幅が狭まり、歩道も下水の蓋の上を通るようになって走りにくくなる。やむをえず車道へ出ると、すれすれで追い抜いてゆく車が脅威である。このあたりは、田舎道を探索せずばなるまい。

国道51号は日本原子力開発機構のあたりをピークに緩やかな登りになり、それから大洗までは下りが続く。夏海(なつみ)の信号で県道2号に移り、海岸沿いに大洗の町へ入る。今度、行って気づいたのは大洗には黒松が多く残っているということ。海岸の歩道は若い松並木だし、磯前神社の背後には広大な松林が広がっている。

磯浜( サンビーチ)海水浴場歩道は松並木

まずは磯前神社だろう。前回(1991年)に来たときは寂れて閑散とした印象が残っているが、まるきり変わっていた。

一の鳥居 神域は左手一の鳥居間近の参道 女坂

南から来たので自然に大鳥居の左奥の参道を登ってしまったが、神社の正面はこの先の、海に面した急な階段だった。正面から紹介しよう。

海岸に神磯の鳥居二の鳥居 神社は、海に面した小高い丘の上

海岸線に沿って旅館や土産物屋が列んでいて視界は遮られるのだが、それらの建物の間の細い道を抜けると上の写真の鳥居が見える。

この階段を上って振り返ると海が あの岩の辺りに神磯の鳥居がある
随臣門
 
随臣門 珍しく波をかたどった木鼻

頭貫が柱の外へ出る木鼻と言われる部分、普通は象や獅子などが装飾されることが多いが、ここは流石に磯前神社、波頭がデザインされている。

拝殿
拝殿向拝 彫刻など一部の彩色は新しいが比較的簡素な造り
拝殿正面から本殿が見える 
本殿は茅葺き本殿 切り妻の装飾

祭神はオオクニヌシ(オオナムチ)とスクナヒコナの国造りコンビ。末社に安徳帝と二位尼があるのは、平家がらみの由来があるのだろう。

休憩所海洋博物館

境内南側に休憩所と海洋博物館がある。以前来たときに入った覚えがあるが(鯨の睾丸の標本を見た)、建物は変わったようで、こんなに洒落た建物ではなかった。この休憩所で、途中のコンビニで仕入れたサンドと泡の昼食。

食後は那珂湊へ向かう。途中、那珂川に懸かる海門橋の手前に願入寺がある。

原始眞宗?願入寺山門

原始眞宗とは初めて聞いた。要は親鸞の孫が開基なので、本願寺に比肩する権威を主張したいらしい。なかなかの古刹とは思うが、せせこましいことである。普通、開山、開基というと、前者がその寺を創始した僧侶、後者が経済的にサポートした俗人ということだが、この場合はちょっと違う使い方をしている。

本堂本堂内部
開基堂とやすらぎの鐘 鐘楼のご喜捨を!開基堂内部
本堂わきにおびただしい銀杏がすくすく育った若々しいイチョウ

裏に広大な墓園があり、そこからの那珂川の眺めが茨城百景らしいが見逃してしまった。

海門橋から那珂湊を望む 手前の水面はもちろん那珂川

大洗では漁協の直売所があって食堂もあり周辺が賑わっていたが、ここは那珂湊の魚市場は全然スケールが違う。日曜ということもあるだろうが、広大な駐車場も市場周辺の道路も、押し寄せた買い物客の車でいっぱい。もちろん浜風を引いて歩いたが、それでも肩身が狭いほどの雑踏だった。

町会の旅行で2回ほど来ているので見当はついていたが、魚はたっぷり量があって安い。しかし、ご当地の魚はほとんどなく、大方、遠方よりの到来魚である。一見して相当鮮度が落ちている。鮮度のよいものや生け簀の魚は間違いなく高い。鹿島灘を南に控えているからチョウセンハマグリは生け簀にあったが、これは地元の小売の値段。ざっと見てみたところ、ご当所の魚はサケとメヒカリくらいだった。

東京だと1匹500円以上しそうな大型の新鮮なサンマが、一箱24匹で1000円は考えられない。こうした季節物にうまくぶつかれば幸運。ルーラルエースはもう廃車にしてしまったが、車であれば、あのサンマは一箱買って帰って喰えるだけ喰って、残りは干物にでもするところだった。もっとも見せ金ということもあるから、列んでいるサンマとすでに封のされている保冷箱の中味が同じレベルかどうか知るよしもない。

東京周辺に住んでいれば、築地場内へ行った方が、(値段はともかく)格段に鮮度のよい魚が買える。品物さえよければはける築地と違って、観光客相手では品質で勝負はできないのだろうか。

実はここ以外ではあまり見たことのないメヒカリは、わたし大好物。見た目がよくないのと、鮮度が急速に落ちるので地産地消の最たるもの。何店か見て一番盛りのいいのを一皿700円で買った(本当は、これでも高すぎるという印象)。まあ、しかし、ここへ来たからには買わないわけにいかない。昼飯の泡冷却用の保冷バッグをザックに常備しているので、それへ入れた。今晩は、メヒカリの天ぷらだ!!!

帰途、大洗の町中も通ってみた。町としてはこちらのほうが大きいようだが、観光客の印象は那珂湊の市場に集中する。大洗は漁港というよりフェリーのターミナルとしての位置づけが大きいのか。

帰りは同じ道を戻るしかない。途中の農道であった客車の倉庫。

引退後もご苦労さん

本日はこれまで。

  
   
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