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味噌の仕込み 2009年10月22日

味噌、ベーコン、漬け物、この3種の食物だけは、自作が一番だと思う。味噌の仕込みについては旧ブログでも報告したことがあるが、また新しい環境でのそれも書いてみたくなった。

カマドと薪をどうする

ベーコンの場合、燻製炉をどうするかが一番の問題だったが、味噌の場合は、カマドをどうするかだ。鳩ヶ谷ではブロックを積んでいたが、一度使うと高熱でぼろぼろになってしまう。そこで、今回は奮発して耐火レンガを買うことにした。

次は燃料の薪だが、ホームセンターで売ってはいるがバカバカしい。海岸にいくらでも流木が転がっている。しかし、ルーラルエースを廃車にしたいま、運搬の手段がない。背負子で担いでくる手はあるが。

レンガ購入と薪入手の連立方程式は、こう解けた。近くのホームセンターでレンガを買うと、運搬用に軽自動車を無料(90分以内)で貸してくれる。レンガを買ったついでに浜辺へ回り、流木をかき集めればよかろう。

浜辺でスタック -- シルバーさんありがとう!

さっそく実行に移した。先日の海岸清掃で見当が付いているヘッドランド13、あそこなら流木は豊富だし、浜辺間近まで車が入れる。行ってみると、先日と違って車はほとんどなかった。なるべく近くまでと、踏み固められた路面から砂浜へ少し乗り入れたが、その瞬間いやな感じがした。どうも車の進み具合がおかしい。あわてて戻ろうとしたが、ときすでに遅し、スタックしたのだ!! 荷台にあった段ボールや近くの流木をタイヤの下に押しこんで、バックを試みたがダメ。スリップは止まらず、タイヤはどんどん砂にめり込んでゆく。いつかの蔵王ゲレンデのデリカを思い出した。あのときはそれなりの脱出装備があったが、HCの借り物の軽にそのような装備のあるよしもない。まさか浜辺でスタックしましたと電話もできない。悪用とまではいわないが、目的以外の流用であることは間違いない。ひさびさにオジサンは焦った。

あれこれムダな試みをしていると、声を掛けてくれる人があった。ゴミの回収に来たシルバーの人たちだった。こちらが頼んだわけでもないのに、当然のように牽引用のロープを手にして近づいてくる。あちらの車はゴミ搬送用のガッチリした車だから、軽を引きずり出すくらい軽いもの。ありがたく救助を御願いする。こちらは運転席で、エンジンを切ってサイドブレーキを外し、レバーをニュートラルにして待機。最初ガクッときて、そのうちズリズリと車が動きだし無事脱出。エンジンを掛けて安全な位置に移動し、表へ出て礼をいうのも待たず、シルバーさんの車は走り去った。もちろん、手を振りながら大声で“ありがとうございました”と叫んだのは言うまでもない。それからは残り時間を気に掛けつつ、ひたすら流木を拾い集めた。

カマドと薪

駐車場のコンクリートに泥を敷いて水平をとり、耐火レンガでカマドを組んだ。固定はしていない、積んだだけ。40センチ径の鍋を安定に乗せるには、だいたいこんな寸法になる。

泥を敷いて水平をとる積んだだけ レンガの寸法は230x114x65mm
苦労の成果、流木の山 これだけあればお釣りがくる

さて仕込みは

以上は、19日の話。実際に仕込んだのは翌20日。ところが当日は、風が強い。燃えている薪があおられると飛び火の恐れがあるし、火力の調整も難しい。そこで、カマドの容積を縮小し、焚き口を狭めて風の影響を少なくした。

焚き口を狭めて縮小したカマドで茹でる一度泡だった湯を捨て水から炊き直す

底面に2x3で6枚、その内側に厚さ6.5センチのレンガを積むから、カマドの底面は実質33x23センチしかない。火力が不足するかと思ったが、最初の沸騰に時間がかかるものの、長時間茹でるには十分なことがわかった。バランスからいって奥行きがあと10センチほしいが。ま、いっか。

大豆の煮汁は粘着性があり泡立つ。最初に沸騰したら、煮汁を捨てて新しい水を入れて煮直す。蓋を閉めたままでは吹きこぼれるので、少し隙間を空けて調整。ときどき水を差してヘラでかき混ぜる。うっかりするとマメが焦げ付くことがある。

大豆は3キロ麹、塩、水分を合わせて、できる味噌は12キロ

約2時間ほど煮て豆の具合をみる。指で押しつぶせれば十分。喰えばもちろん美味。そのあと30分、蓋を開けたまま煮詰めた。普通、煮汁は捨てるが、地方によって、煮汁がほとんどなくなるまで煮詰めてムダにしないやり方がある。煮汁はなるべく捨てたくない。煮詰まるほど焦げ付きやすくなるから気をつける必要がある。

 
味噌仕込みの現場
ホウロウの寸胴(左)、アルミの内鍋と塩切り麹(中上)、腰掛け(中下)、大鍋の煮大豆(右)

上の写真が仕込み作業の現場。中央の腰掛けに座って、右の大鍋から煮大豆をすくい、中央のアルミ内鍋に移し、マッシャーで大豆を潰す。姿が見えないくらい潰した大豆を左の寸胴へ移し、その上に塩切り麹(米麹)を同量ほど足して、軽く混ぜておく。これを、大鍋の豆がなくなるまで繰り返す。すべての豆を潰し終わったら、大鍋の煮汁を空け、寸胴の中味を大鍋へ戻す。ここからが手作業。雑菌の入らぬように軍手の上にゴム手袋して、まんべんなく豆と麹を混ぜる。混ぜ終わったら、豆と麹を寸胴に戻す。このときいっぺんに戻さず、小分けにして、手で押さえてしっかり空気を抜きながら詰め込む。最期は、大豆と麹の表面をサランラップで覆い、落とし蓋をして重石を置く。寸胴の上部を焼酎で消毒して、新聞紙で蓋をして、紐で縛れば、仕込み完了。

煮大豆マッシャーで潰す

今回はレポする予定はなかったので、あまり細かく写真は撮っていなかったが、まあ、こんなあんばいで味噌の仕込み完了。

使用後のカマドレンガで蓋をして自然消火

通常、厳冬期に仕込んで、梅雨明けに天地を返して、盛夏を過ぎると食べられるようになる。今回は、引っ越し後すぐに仕込みができなくて、この時期になった。いまは、市販の味噌を食べているが、はやくこの味噌で味噌汁を作りたいものである。

追伸

カマドの灰や炭は畑に撒くつもりだった。しかし、海の流木だからと思い、念のためなめてみた。結構、しょっぱい。これでは作物が枯れてしまいそうで諦めた。

  
   
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