OJerBlog
 
天地返し 2009年11月4日

わが家の敷地の地底にはアズマネザサのネットワークが張り巡らされていることはすでに書いた。また宅地造成で客土されていることも書いた。その後も、農作物が終わり、あるていど地面が空くと、ネザサ退治の天地返しを続けてきた。

大分前からシソ、ルッコラ、バジルなどの畝が空いたので、そこをほじりだした。もちろんネザサの退治が目的だったのだが、新たな問題が起きた。客土のことだ。上から掘り進めてゆくと、はじめの20〜30センチは耕土だが、その次に砂層が現れる。ササの根はさらに深く潜入しているので、なお掘り進めるとまたもや耕土のように色の濃い土が出てくる。その土が問題なのだ。そこには大小の石が含まれ、さらにビン、カン、プラスチック、ガラスの破片、コンクリートの塊などが出てくる。80センチくらいも掘って、そろそろ終わりかとおもったころで、そんな層にぶつかると、暗澹たる気分になる。

宅地の水平を保つために低層に質の悪い残土を投入し、それを繕うために上を自然土で覆っている。全面ではないのが救いだが、その層にぶつかると遅々として作業が進まない。大きな破片は手で除けるが、細かい石や破片は篩にかけるしかない。これが大変なのだ。篩に一杯の土は結構な重量がある。それを両手で持って、細かく揺すらねばならない。あるていど篩うと、残りを手で篩の網目に擦りつけて、小粒の土塊を砕く。それを何度繰り返せばこの区画が終わるかとおもうと、気が遠くなる。

最後の最後にコンクリートの塊ガシャとガラスの砕ける音

地底奥深くから人工物が出てくるのはゾッとしないが、ときには思いがけないものが出てくる。もうこのへんで止めにしようかと鍬をふるっていると、ガシャとガラスの砕ける音がして、地底にぽっかり穴があいた。黒いガラスビンのようだ。なんだか見覚えがある。そのまま叩き割りかねて丁寧に周囲の土をどけてみると、懐かしや。サントリーのオールド! このときばかりは、おもわず顔がほころんだ。昔は、高級品だったよね。

はてこれは? 見覚えが掘りあげたサントリーのオールド

重たい篩を両手で抱え、背中をきしませながら揺すっていると、脳裏をかすめるのは、昔の工事現場の光景だ。木枠にコロを渡した仕掛に、篩を乗せて揺すっていた。あれなら篩の重量はコロが支えてくれるので、手で持って揺するよりはるかに楽だ。しかし、仕掛を作ることも結構大変そうである。などなど汗まみれ、泥まみれで篩をかけているとき、脚立が目に入った。なんだか、使えそう。おお、そうだ。脚立を立てて、段と段の間に丸太を渡せばいいではないか。

脚立を利用した篩の仕掛楽だぜ!

思いついたときは、俺ってなんて頭イイんだと喜んだのだが、しばらくして、なんでいままでこんな簡単なことに気付かなかったんだ? やっぱ、お前はトロイよと悔しくなったのである。

 
発掘?現場

何日かかって天地返しに汗したことか。ササの根も取り除き、小石やゴミを篩い終わって、埋め戻すには2時間もかからなかった。ポテンシャルはかくも偉大である。

均してしまえば、これっぱかり篩との格闘で敗(破)れた皮手袋

オールドとは別に、珍しい掘り出し物があった。鍬で欠いてしまったのだが、何の卵? 中はゲル状で、殻がやわらかい。ウミガメの卵に似ているが、いくら鹿島灘が近くても、ここまで来て卵をたった1つ産むわけもない。

スッポンタケの幼菌

わからないときのF氏頼みで写真を送って訊ねてみた。スッポンタケの幼菌ではないかとの、回答をもらった。図鑑で調べてみると確かにそのようである。洗って埋め戻したが、はたして発芽するかどうか。

  
   
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