OJerBlog
 
鹿島港遊覧 2009年12月6日

昨夜は雷がゴロゴロ鳴って激しい降りだったが、今朝は一転、見事な青空。二本松寺へとも思ったが、以前Webで見た鹿島港遊覧が頭をかすめた。確かめてみると、1時半から45分で鹿島港を一巡して、コンビナートを海から眺める。料金1200円だが、Webからクーポン券を印刷して持参すると1080円。これに決まった。

マップ

家から埠頭まで約20キロ。少し余裕をもって11時過ぎにでかけた。港についたときは、出船まで1時間ほどまがあったので港公園を歩いてみた。

港公園 展望台52m
えっと、この人なんの関係もなし 写っているのも知らなかった

基本的に高所恐怖症である。ロッククライミングはそれに打ち勝つところに意味があった(ははは)。あんなに重たい飛行機が浮かぶことについては、いまだに信じていない。しかし、あまりに天気がよかったせいか、この展望台に登ってしまった。次の4つは、順に南側、東側、北側とパンした写真。近くの視界はよかったが筑波山のあたりは雲がかかって見えなかったので、西側はなし。

左中央航路、右南航路 奥は鹿島石油南航路 手前、並木の先が鹿島埠頭

なんとか写真は撮ったが、終始、居心地が悪かったことはいうまでもない。

北航路と住友金属住友金属と中央航路

港公園は、Y字型に陸に食い込んでいる鹿島港の中心、つまり、Yの分岐点に位置し、正面に中央航路(Yの幹部分、外海へ通じる)、右に南航路、左に北航路を見晴らす快適な緑地だ。しかし、北西側に飼料関係の工場群があり、風向きによるのだろうが、そこから流れてくる気流が微妙に臭う。あまり気にしている人はいないようだったが、閉口した。

港公園の先端部 釣り人が多い展望塔周辺

鹿島埠頭の食堂のレジで乗船券を売っている。券を買って表へでると、すでに乗船が始まっていた。早速乗り込んで最前部に陣取る。

 
遊覧船 ユリーカ号

はじめは2組くらいだったが、ぼつぼつ客も増え、出船時には7割の入りといったところか。ほとんどが子供連れの家族。近くに席を占めた一家が近くに停泊している船名の読み方が分からないと話している。そのうちに突如、大爆笑。船名が読めない理由がわかったのだ。右書きを左から読んでいたらしい。

遊覧コースは、冒頭の写真と同じ順序で、南航路→中央航路→北航路と周回する。埠頭の管理会社の遊覧船だから、各バースに停泊する大型船を詳しく説明してゆく。船名、船籍、積荷、出港港名など。コンビナートは大別すると、3区画から構成されている。鹿島港の南側はエネルギー供給(東電など)と石油化学(三菱化学など)、北側は製鉄(住友金属)、西側は木材(中国木材)と飼料((昭和産業、全農など)。調べてみると、エネルギー供給(電気、ガス、蒸気)をベースに、資源の輸入と素材の生産から、それを原料とする製品製造への物流がネットワークをなしている。“コンビナート”はたんなる工場集合ではない。こうした有機的な企業連係の概念は、われわれが学生のころにソビエトの影響下に生まれたようだ。コルホーズ、ソホーズ同様に多分、学校で習っているはずだがすっかり忘れている。コンビナートの典型は石油化学で、三菱化学のサイトなどをみると、原材料の石油から生産されたナフサが周囲の企業で各種の化学製品に展開してゆく流れがよくわかる。

鹿島石油LPG船

鹿島石油が輸入した原油から、ほとんどの化学製品の原素材となるナフサを製造して、三菱化学に渡す。もとより、工業用の燃料やわれわれが家庭で使用する石油なども造られているのだろう。

三菱化学同左

南航路からUターンして中央航路へ入る。右側には、鹿島石油がなおも続いている。

鹿島石油のタンク原油タンカー

以上は船内から撮ったが、あとは船尾、船室外の展望室へ移動。エンジン音がうるさいが、まったく寒くはない。

展望室 定員10名
鹿島電解 白く見える堆積物は?これすべて南米から輸入した塩
塩を電気分解してできるNa、Clが化学製品の原料
東京電力 鹿島火力発電所このあたりで中央航路は終わり

中央航路の先端でUターン。遙か海上に鹿島港の防波堤が見える。一般には侵入禁止だが、絶好の釣り場であることから釣り人が侵入する。しかし、全長が3キロを越え、天候急変に逃げ遅れて遭難する人が絶えないという。

防波堤 全長3キロを越える

ここからは中央航路の北側。先端は出島になっていて、鹿島港信号所と水先案内人の詰め所がある。

出島への渡橋信号所などのある出島部分

中央航路から北航路の沿岸はほとんど住友金属の工場。説明書では東京ドーム300個分とあり、見当もつかない広さだ。製鉄所らしくこの一帯の構造物はほとんど錆色。遠目では廃墟のようだが、近づくと日曜日だというのに停泊する船のデッキには作業員が散見され、搬送用のクレーンが船と陸を行き来している。

錆色に沈む工場群長いベルトコンベヤが鉄鉱石を運ぶ
八戸母港の八戸丸奥の山は鉄鉱石
神栖丸

以上で全部ではないが、すべての船が住友金属へ荷揚げしている。一方、南航路へ移ると、こちらの岸壁では、製造された製品の積み出しがおこなわれていた。

こちらは鉄鋼製品の積み出し

写真の数がそのまま現しているわけではないが、Inputに対してOutoputは大分少ないようだ。その差の物質収支はどうなっているのか? ガスとして大気中に放出され、スラグとして日本のどこかに埋め立てられるのだろうか。

北航路の端でUターンすると中国木材の工場。膨大な量の木材が積み上げられている。

中国木材北米からの輸入木材を加工

最後が飼料関係の工場。輸入した穀物を貯蔵する巨大なサイロが並ぶ。どういう内部構造になっているのだろうか。ただうえから積み込んでしまえば、自重で下部のものは潰れてしまいそうだが。

巨大なサイロこのなかはすべて穀物

なんだか船中のアナウンスのおさらいのようでもあったが、これで鹿島港遊覧はお仕舞い。

本日はこれまで。

  
   
現在の閲覧者数:
inserted by FC2 system