OJerBlog
 
神崎神社・滑河観音 2010年8月15日

今回もご近所ブログの情報では旧聞に属すが、滑河(なめがわ)観音を見てみたくなった。途中にある神崎(こうざき)神社にも寄ってみることにする。

マップ

今日は南風が強い。思えばこのところよく南風が吹く。今日も相当なものだ。目的地は直線距離で約30キロ南西だから、行程の前半は終始向かい風との格闘になった。ペダルを漕いで汗がでれば風が冷やしてくれるという当然の期待が、今日は報われない。熱気のこもった南風はむしろこちらの体温を押し上げるような勢いがある。 

鹿島の漁師さんのブログでは、南風だと海水温が下がって、この時期メインのシラス漁がさっぱりだと嘆いている。南風で水温が低下とは素人には不思議に思えて調べてみた。なんのことはない、西高東低の冬型だと西風ではなく北風成分が強くなるのと同じで、コリオリの力の影響であった。海面にある方向の風が卓越すると、その風向きにではなく、それから45°〜90°右向き(北半球)に海流が生じる。これを、研究者の名前からエクマン吹送流という。これを鹿島灘に当てはめてみると南風が海岸にほぼ平行に北に向かって吹き上げると、吹送流は東向きへ、つまり沖合に向かって離岸する。上水が沖に流れるとそれに引きずられて海底から冷水が湧昇する。南風は暖かだろうから海水が温まってという単純な推論はしやすいが、空気と水の熱容量が違いすぎて温まるより先に海水の循環の方が効く。結果、南風が海水温を低下させて、シラスが不漁となるわけだ。今年の夏は南風が多いから、浜風で南を目指すと苦労することが多い(鹿島神宮駅も南だ)。浜風はやめればすむことだが、漁師さんはそうはいかないなあ、などと考えながらひたすら漕いだ。

北利根橋を渡って利根川までは、広大な稲作地帯を横切る。もうすでに稲の収穫が始まっていた。

広大な稲作地帯

刈り取りから脱穀まで1台でこなす収穫機械が稲を刈り取っている。その跡にサギ類が群がる。刈り跡から飛び出してくる昆虫が目的なのだろう。アマサギも混じっていた。

脱穀した稲をトラックに送る刈り跡に出てくる昆虫が目当て

簡易ナビの指針を頼りに利根川の堰堤へ抜けた。堰堤の上の道路(車は入れない)は、風は強いが川面を渡ってくるので、地べたで熱せられた風よりましである。

神崎神社

神崎大橋が近づいてくると左手にこんもりした丘が見える。この丘が神域。プロフィールマップで見ると30キロ過ぎにあるパルスがそれである。

麓にある八坂神社

丘の上の神社に人影はない。社屋はとくに印象に残らなかったが、その脇の大クスに存在感がある。

神崎神社

本殿右脇「神崎の大クス」。例によって主幹はすでにない。焼け跡がなまなましいので、近年の落雷によるものか。

 
残った主幹
落雷の跡か?左写真の裏側

神崎から滑河への途中に圏央道の、建設中の橋脚があった。国交省のHPでは2012年開通予定とあった。この辺りから、前方上空に成田へ着陸する飛行機を頻繁に見るようになる。

圏央道の橋脚

滑河駅周辺でコンビニを探してうろうろ。無事にサンドと泡を仕入れる。この時期だから、もちろん水分補給用にお茶も。水分補給は早め早めがいいようで、午前中喉の渇きがさほどでないとうっかりしていると、午後に野原のど真ん中で急激に水が欲しくなったりして、ひどいめにあう。とくにこの高温期はそうだ。結局、今回は泡は別として、2.5リットル消費した。

龍正院滑河観音

細かい説明はWebでも見てもらおう

滑河観音着 Reach Goal!!!

到着は12時半頃。滑河観音拝見はさておき、まずは腹ごしらえ。境内は清清として適度な風が吹き抜けている。さんざん苦しめられて、罵りまくってきた南風だが、ここでは快適。昼近くになって風勢も衰えたせいもあろうが、勝手なもんである。カエデの古木の緑陰に昼食場を設定する。

木陰から見上げると、成田に着陸する飛行機が相当な大きさに見える。飛行機ファンなら面白いだろうが、周辺のひとには結構な騒音源だ。いまや経費削減と借金の踏み倒しに奔走する、かってのナショナル・フラッグも赤い尾翼を見せて通過してゆく。

昼飯場

落ち着いたところでゆっくり拝見。このお寺は、旧道脇の開けた場所にある。

左に宝篋印塔、右に茅葺きの仁王門、奥が本堂

宝篋印塔(ほうきょういんとう)群は、道路と駐車場に挟まれて条件が悪いが、なかなかの雰囲気がある。もう少し整備したいね。ご近所ブログの写真で、これが印象に残って来る気になった。

宝篋印塔群
仁王門注連縄

面白い注連縄だ。この辺の集落の人々が正月に寄進するのだという。差し込んであるのはキヅタのようだった。潮来の人にも教えたい。

注連縄 下に相撲の下がりのようにキヅタが差し込んである
阿像吽像
こちら珍しい銅製の宝篋印塔
滑河観音本堂
入口の天井絵これはなかなか
本堂内陣 本尊
入口上部に一対の馬像
本殿より仁王門

お盆だが、この間、参拝客は2組ほど。この寺には墓地がないからか? しかし、普段、繁盛している寺であることは間違いない。もっとも、寺の“繁盛”と、その寺の宗教的な達成とに因果関係があるようにはおもえないが。

来るときはナビに従って利根川右岸の堰堤を走ったが、帰りは対岸にした。さっきとは違って、楽ちんで、浜風はすいすい進む。この辺りは、稲作に並んで畜産も盛んだ。鹿島・行方は養豚が多いが、こちらは牛が主体のようである。ニオイはこっちのほうがはるかにまし。

利根川河川敷が牧場代わり牛さんも今日は暑そう

もうじき潮来・行川の丘陵地帯への登りにかかるというところで「かすみの郷公園 1.1キロ」の標識が見えた。以前から気になっていたので寄ってみることにした。公園自体はサッカー場に遊戯施設が付属するものでとくに載せるほどの内容はなかった。

その公園は簡易ナビのルートからだいぶ離れているので、指示は戻る向きを指すかと思ったが、もっと進めとばかりに反対を向いている。ある程度ルートを離れると、次の通過点を指し示すのとは違ったロジックが働くのかもしれない。面白そうなのでその指示に従ってみた。そして、偶然にも古木に出遭うことができた。

清水のタブとヒヨクヒバ

このタブノキとヒヨクヒバは、じつは以前、道を間違えてすぐ近くまで来たことはあったが、先を急いだので寄らなかった。簡易ナビのおかげで来ることができた。

左ヒヨクヒバ、右タブノキ

すぐ近くに三熊神社がある。これらの古木はいまは畑の傍らに位置しているが、おそらくその鎮守の壮の一部だったのだろう。地上3mほどで分枝しているヒヨクヒバには木登りできるようにロープが掛けてあり子供たちの遊び場になっているようだ。昔のつもりで木に足を掛けて登るつもりが、自分の身体を引き上げることがいかに難儀になってしまったかを知り、愕然としたことなど思い出す。ぽりぽり。

ヒヨクヒバタブノキ

簡易ナビは無事に既定のルートへ連れ戻してくれた。なかなかである。

北浦白浜付近 堰堤に小さなタカサゴユリが自生していた

今日は、高温と南風で自転車漕ぎは難行、苦行であった。早く涼しくなってもらって、浜風ライドをのんびり楽しみたいものだ。

本日はこれまで。

  
   
現在の閲覧者数:
inserted by FC2 system