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はじめての釣り 2010年9月17日

参った狸!の猛暑もすぎて、過ごしやすくなった。午後、はじめて海岸へ釣りに出掛けた。釣りといえば、子供の頃に多摩川で竹竿の先に糸を着けて遊んだかすかな記憶と、仲間の渓流釣りに付きあっていたとき竿を持たされことくらいか。ずぶの素人というやつだ。釣り好きの友人SNに余分な釣り道具があったらくれとせびったら、竿を長短4本と各リール、それに糸やら重りやら針やら、わけのわからい小道具がどさっと届いた。友人もこちらの程度は知っているから、いろいろメモを着けてくれた。鹿嶋海岸のヘッドランド(→ご近所ブログより)の地形を想定して、釣るポイントごとに使う仕掛や釣り方の説明があるのだが、こちらは基本的な用語を知らないので、とんと頭に入ってこない。“ブラクリ仕掛”“フカセ釣り”“チョイ投げ”…なんのこっちゃ? のレベルである。

SN氏より到来の釣り道具 数?式リール
仕掛、針、重り道糸、先糸

まずはネットを調べて基本単語を理解した。浜風再生のときと同じで、自転車に負けず釣の用語も横文字が多い。とくにルアー釣関係は煩わしいほどだ。もっとも、横文字だろうが縦文字だろうが、分からないことは同じである。まずは、釣り好きのホームページの70%くらいは理解するまで用語を仕入れる。

次に、釣り方をどうするかだ。これもWebを漁ったり、近所の釣り人に話を聞いたりして、ジグサビキという釣り方にようようたどり着いた。もっとも、あとで友人のメモを見ると、ちゃんと似たような釣り方が出ていた。最初に荷物が到着したときに、わけもわからず読んだので憶えていなかったのだ。次回からはまずSNメモから出発せねばなるまい。ぽりぽり。

最後に実際にその仕掛をセットするための技の習得。といっても、こちらは糸の結び方くらいだから、ザイルワークの延長であまり問題はない。テグス結び、8の字は登攀でも多用する。それに、ブラッド・ノッドくらいか。仕掛の連結部分はねじれを貯めないようにサルカン(猿環)で済ますことが多いようだ。

友人SNのメモ次回からまずこれから見るべし!

というわけで、いささかの用具と仕掛をザックに、竿を握って浜風で鹿嶋海岸へ下った。家から県道を真っ直ぐ下ると国道51号を横断してヘッドランド14に出る。浜風なら10分とかからない。

「いしもち」用とある4mほどの竿小型のスピニング・リールをセットした

ヘッドランド先端には左側に2人、右側に1人の先客がいたので、しばらく様子を見ていた。正面は波が砕けているので難しそう。右側の人は内側を釣っていたので、外側ならいいかとその近くへいって挨拶をして、仕掛を取りつける。はじめての実地で、まずサビキとジグを正常に釣り竿にセットできるまで30分くらいかかったろうか。サビキには針が多数付いているので、糸が絡んでなかなかうまくいかない。やっとできたころに、先客は外側を釣り始めた。入れ代わって内側へ入るのもはばかられて、浜辺へ戻って、ヘッドランド右側の湾入部分で竿を振った。

思い切り竿を振っても、ジグはすぐ目の前にボチャンと落下する。糸がまったく繰り出ていかないのだ。原因はすぐにわかった。糸を巻くときと、繰り出すときでは、リールのベイルアームというやつの位置を移動しなければならない。巻き取るときは手前に引いて起こし、投げるときは倒しておく。しかし、アームを倒すと糸がフリーになってホイールから解けだす。そのまま投げるとリールの固定部分に絡みつく。糸をなんとかするのだとはわかったが、手で握っていると片手で竿を振らねばならない。

セイゴ 時間が経って大分色あせた

どうすりゃいいんだ。分けも分からず投げていると、たまたま少し遠くまで飛んだそのとき、くくっと引きがあった。多少の重さを感じながらリールを巻いていると、小さな魚がキラキラ光りながらあがってきた。13センチほどのスズキだった。正確にはフッコにもいたらないセイゴというやつか。サビキ仕掛の針の最後に掛かっていた。菱形の魚形が砂にまみれてぴちぴち撥ね、黒い膚に銀色の鱗が輝くさまに見とれた。しかし、不運な魚もいたものである。釣りになれていれば当然リリースするのだろうが、そうはいかない。66年の人生最初の釣果である。釣れることなど期待していなかったので、とりあえずビニール袋に押し込んで、投げ方の練習を続けた。そのうち、通りがかりの釣り人が、何か釣れたかと話しかけてきた。これ幸い、実は生まれて初めて釣るのだが、このリールというのはどうやって投げるのか?相手もあきれたろうが、実践して見せてくれた。何のことはない、アームをリリースの位置にしたときに、竿と糸を一緒に握っていればいいのだ。

ところが、それでもなかなか飛ばない。そのうち何度かうまくいくようになると、コツがわかってくる。自分の腕で投げるのではなく、糸先の重り(この場合はジグ)のスイングに合わせて振りがマックスになったときに、竿の弾力を効かせるのである。これで、投げの成功率が少し高まった。そのうち、先ほどの先客が帰ったので、砂地からヘッドランドへ戻ることができた。しかし、岩場からの最初の一投で仕掛を岩に引っかけてしまった。考えれば当たり前なのだが、ジグサビキという仕掛は岩場では、よほど慣れていないと、すぐこうなるのだ。岩場は一投であきらめて、サビキとジグを新しいものに着け直して、砂地へ戻った。

砂地から湾入部分へ投げていると、だんだん飛距離が伸びてきた。もうそろそろ、疲れてきたし、投げるのも飽きてきたので、これで最後にしようと投げた重りが、ついに湾入部分を超えて、さきほどの岩場の近くに着水した。これが、また引っかかってしまったのだ。2つも仕掛を取られるのかとシャクにさわる。しかし、よくみると糸の先は、さっき最初の仕掛を引っかけた場所近くまで延びている。しかも波に洗われてはいるが、手の届きそうな深さだ。糸を張った状態で竿を固定して、ヘッドランドの岩場まで戻った。岩場の波打ち際で水面下にあるジグを探すのは、普通なら無理だが、砂浜の竿を確認し、そこから延びる糸をたどってジグの位置を判断した。波が引いた合間に糸をつかみ、手前に引けば、投入されて引っかかった向きと逆だから難なく外すことができた。海を余分に汚さずにすんだし、仕掛一つ助かった。これで切り上げよう。まさに潮時。

ジグ あれ? 糸が左へサビキの一部

最後に仕掛を取り込んでいて、ジグをみてビックリ。これ、逆についてる? はじめて仕掛を取られて、気分があせっていたのだろうね。ははは。

貴重な初収穫。さすがにこのサイズは刺身にはできないから、小さなフライパンでムニエルにした。箸でつまめば片身はおしまいほどの大きさだったが、美味。流通過程で生ものの味がいかにスポイルされるかよくわかる。

本日はこれまで。

  
   
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