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クロネコ・スモーカーの発煙室 2011年4月28日

引っ越し以来、こちらではクロネコヤマトの衣料運搬用の大型段ボール箱をスモーカーに使ってきた(次の写真3枚)。これがなかなか使い心地がよくてそのまま使い続けている。

クロネコの引越用大型段ボール箱が……そのままスモーカーへ

ただ問題は温度管理がままならないことだ。ベーコンの場合、サーモスタットで50〜60度に保ちながら煙をかける。ところが温度計の目盛りを見ていると、ときに90度を突破してしまうことがある。サーモ自体の誤差はプラマイ3度程度だから、とてもコントロールできているとはいえない。

その原因はヒーターの使い方にある。スモーカーの内部にヒーターを置いてその上にチップを入れたステンの容器(ペット用の食器?)を載せてある。このヒーターのオン/オフでスモーカー内部の温度を調整すると同時に、チップを燻してもいる。外気温が低いとヒーターは温度維持のためオン状態が続く。その結果、ヒーターに載せてあるステン容器内の温度が上がりすぎて、チップは発煙を超えて着火してしまう。一気に温度が上がってサーモが切れても、チップが燃え尽きるまで温度はコントロール不能になり、ついに、90度突破に至る。

ヒーター 大小2台

問題解決には加温と発煙を切り離せばよい。そのため、本格的な燻製作業には、発煙室をスモーカーの外部に作り、煙をダクトでスモーカーへ導く方法が取られる。ダクトで煙の温度を下げてスモーカー内に送れば、スモーカー内部の温度に大きな影響は与えないから、スモーカーのヒーターの温度調整が正確に効くことになる。

大分前置きが長くなったが、というわけで、今回ベーコンを作るにあたって、この手法を試してみることにした。従来のクロネコ・スモーカーに、もう一つ段ボール箱の発煙室を増設する。近所のホームセンターに手ごろなアルミのダクトがあったので、これで両者を繋ぐ。このダクトは細かい蛇腹になっているので曲げやすく放熱効率もよさそうだ。次の写真はざっと配置してみたところ。各部を置いただけである。クロネコ・スモーカーも、農家の茅葺きの屋根と同じで、使い込んだぶん貫禄のあるよい色味が出ている。発煙室は通販の段ボールで底部をテープで密閉しただけ。前面は、使いながら様子を見る。

クロネコ・スモーカー(左) ダクト 発煙室(実際は下のレンガの上に置く)

ダクトを繋ぐ穴を開ける。

スモーカー側発煙室側

紙だからカッターで簡単に切り取れる。

スモーカー側発煙室側

細工は好きだがテンから不器用。しかし、段ボールだからなんとか丸く穴が開いた。

スモーカー側は奥までダクトを挿入発煙室側は少し差し込んでテープで補強

段ボールに穴を開けただけだがダクトの蛇腹がうまくネジのように働いて密閉性は非常によい。スモーカー側はそのまま、発煙室側はテープで密閉・補強した。

ダクトの連結完了

拍子抜けするほど簡単にできてしまったが、まあ相手が段ボールだからね。

加温用ヒーター 台は重石のダンベル発煙用ヒーターとチップを入れる容器

チップを焚くのはもったいないから、畑用のモミガラで発煙実験。

無事煙が流れているだんだん燻ってきた

実際には、次の写真のような状態になる。スモーカーを密閉しても思ったほど煙の流れは滞らなかった。まだ発煙室の前面をどうするか決まっていない。蔀戸風に使うか、あるいは江戸時代の湯屋のように上半を塞ぐか? いずれにしてもチップを補給するために前面の開閉が必要。あとは実地に調整である。

ほぼ運用状態

ベーコン用の肉は仕込んであり明日が本番になる。さて、どうなることか。

  
   
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