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Sidewalk投稿 → キンラン満開 (05/01)

発煙室の効果 2011年4月30日

ベーコンの燻製の段取りとしては、前日に塩抜きをして、夜間に風干し、次の日に温干してから実際に煙を掛けるのが普通だ。ところが、あれこれ準備をしているうちに、震災以来ほったらかしてあった物置整理を始めてしまい、一日ずれこんでしまった。しかし、どうも天気の思わしくない。2日がかりの準備を一日でやっつけてしまおうと決めた。

塩抜き3時間→風干6時間→温干2時間→燻煙4時間  合計15時間

朝7時に開始すると夜10時には終わる…………なんて、順調にいくわけはないのだが、まあやってみよう。

バラ肉約6キロの塩抜き日除け

塩抜き用のナベは大きいので台所を専用してしまうから、庭の流しに置き日除けのブルーシートを掛ける。数回水を交換して完了。

次は風干。この6時間は長いが、今回はそれでも足りなかったかもしれない。このネットは魚の干物用に売っているやつで、ハエなどが外から干物に接触できないように、底部は網が2重になっているのだが、肉が重すぎて垂れ下がってしまう。それに6時間もあると、日射しの変化に応じてあちこち日陰をもとめて放浪。やはり夜間に風任せがいいようだ。

北西から北東へ

風干のあいだに、買い物をしたり、昼食畑をしたり。それに、これまで使ってきたクロネコ・スモーカー内部の棚が頼りなかったので、造り替えることにした。

何十年ぶりに買ったノコギリ 左はネジクギこんな枠を作って

スモーカーの内部の寸法ぴったりの枠を2つ作り、それに梁をかけて強度を持たせ、そのうえに金網を載せる。金網のうえにスモークする小物を載せ、大物はフックを掛けて下に吊す。梁ははめるだけで、取り外せるようにしてあるので、収納のときに左下写真のように分解できる。

枠を2つと梁?を4本スモーカーに枠をはめ
梁を渡す梁は載せるだけ つたない技でお恥ずかしい
 
さらに網を置く 

不器用な自分にとってはこの棚ができてまともに収まっただけで、喜んでしまったのだが、落とし穴があった。棚がもう一段要るのだ。スモークする物からたれる水分や脂が直接ヒーターに落ちないためである。それに気づくのはあと。

すでにテスト済みのスモーカーと発煙室を定位置にセットする。こちらは、風干の終わることを見計らって、50度に予熱しておく。今回もたついたのは温度調整だった。この日は風が強かったせいか、なかなか温度が上がらなかった。

スモーカーと発煙室

風干が終わったら、肉にステンの針金を通してフックを仕掛ける。

風干の終わった肉にステンの針金を通す

このフックもうまくいかなかった。たとえば、4本フックを打つとして、肉が水平になるように各フックの位置を調整するのは簡単ではない。それに、フックの曲げが大きいと網目を通らない。針金は豚の脂でぬるぬるで滑るし、手を伸ばしての作業だから肉の重さが効いてくる。

いままでは、肉にたこ糸を通しておき、それにちいさいフックを付けて金網に掛けていたので、こうしたトラブルはなかった。今回の方法だと、あらかじめ肉に糸を付けておく面倒はないが、金網とは別にフックを掛ける仕掛(たとえば、横棒)が要る、というのが今回の反省。

大幅に予定時間超かしてやっと肉を吊す2段目の代用をレンガで

左上の写真の奥に赤熱しているヒーターとレンガが見える。これが苦し紛れに考えた2段目の棚の代用。このうえにネットを置きアルミシートを載せた。

肉を吊して温干を続けたがなかなか温度が上がらない。ついに、保温を思いつき、スモーカーはブルーシート、アルミ・ダクトもビニール袋で巻いてみた。

ブルーシートで保温ダクトもビニール袋で覆う

結局、熱源の不足はあきらかで、最後は、ニクロム線を皿に載せた自作ヒーターの熱源を追加してしのいだ。これまで、これほど加温に時間がかかったことはないから、原因は発煙室を別にしたためか、あるいは一日中吹き荒れていた風のせいか。

というわけで、すべてが終わったのは夜中の12時を回っていた。

はい完成 今回は相当レア卵は無惨 これは茹で方のせい

ベーコンと卵は同じような温度設定なので並行してできる。卵のほうが所用時間が短いから先に出せばいい。しかし、チーズは同じ温度だととろけるチーズになってしまう。ベーコンと卵がが終わったあと、チーズは、スモーカーの熱源を切って発煙室のヒーターだけでスモークした。それでも最初は60度くらいまで上がり心配したが、時間が経過すると30度くらいまで下がってきた。スモーカーの余熱が影響したのかもしれない。

チーズはまあまあ

本格使用して分かったことは、発熱室の温度が150度くらいまで上がることだった。そうなるとダクトでは十分冷えないから、発熱室の温度がスモーカーに影響する。現に、スモーカーのヒーターを切っても、温度が上がることがあった。発熱室がチップを入れてから、あるいは、追加してからどう温度が変化をするのか?

気づけば当たり前だが、スモークする物自体の温度が室温変動に効いてくることだ。最初に温度が上がらなかったのは、系の質量の大半を占める肉の温度が低かったこともあろう。スモーカー全体が十分温まるまえとあとではシステムの挙動がずいぶん変わる。発煙室を別にしたことは、スモーカーの温度を制御しやすくするためだったが、途中で熱源を加えたこともあって、十分な効果があったとはいえない。ただ、室温の上限を押さえられたことは間違いない。

実験室のように燻製作っても面白くないし、まるでアバウトでも間が抜けている。何度やってもいろいろ問題が出てくる燻製だが、今後もこりずに続けることになるだろう。自作のベーコンでスパゲッティを作ったら、もうあとへは戻れない。

  
   
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