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涸沼半周 2011年5月8日

風のない五月晴れ。少し遠出をしてと、東水戸の六地蔵寺を目指してでかけたが、涸沼湖畔へたどり着いたあたりでまたパンク。時間も昼近かったこともあり、本来の目的地は諦めて、涸沼の下流の大貫橋を渡り、涸沼対岸を走って、上流の涸沼大橋で渡り返すコースに変更した。涸沼のこちら側はすでに走っているが、西浦(霞ヶ浦・北浦の総称)のような堰堤道路がほとんどないので走っても面白くない。しかし対岸は公園を結んで静かな湖岸の道を走れるよいコースだ。

マップ 起点標高38m 帰途、自宅直前で電源切れ、ログは途絶

アジュガの仲間シラー・カンパニュラータ
シャガ内陸部の盛り土の道路

国道51号の田舎バイパスを北上して、樅山から涸沼方向へ向かう。以前、那珂湊の交差点のなかにサンマがころがっていたことを書いたが、あちらは漁港、こちらは農業王国だから、道路の真ん中に落ちていたのは大根。

道路中央に落とし物

タイヤはパンクするもの?

KRT(鹿島臨海鉄道)の涸沼駅を過ぎて少しいったところで、前輪の変調に気づいた。路面の凹凸を拾ったときの音が妙に緩くなっている。降りて手で触っただけでぷにょぷにょする。前輪のパンクは、昨年12月に新品でおろした直後にパンクしてから同じチューブが4回目である(訂正 あとでチューブを見直してみたらすでに3カ所パッチが当たっていた。今回も原因はピンホール。品質管理に問題あり)。うんざりはするが、もう慣れている。パンクしたチューブを予備のチューブに交換する。2度の連続パンクにこりて入手したインフレーターと炭酸ガス・ボンベをはじめて使うことになった。

ところがところが、チューブのバルブがインフレーターの口にはまらない。バルブが長すぎてインフレーターの奥まで入らないのだ。そういえば使い捨てのボンベを惜しんで、一度も空気を入れるテストはしていなかった。があーーん!。もっとも、空気ポンプ兼用のインフレーターだから、口があうかどうかはボンベを使わずにもテストは可能だった。インフレーターは、ホイール、タイヤ、チューブをまとめて購入したショップの推奨品だったから、てっきり対応するものと思い込んでいた。

空気が入らなければ浜風はお荷物以外のなにものでもない。さいわい涸沼駅は近い。普通なら駅に留めて単身家へ帰って車で取りに戻るだろうが、車というものがない。KRTに頼み込んで自転車を載せてもらえるか(普通は折りたたんでケースに入れないと乗せてくれない)…………と思いあぐねているうちに、ザックの工具袋にバルブを仏式→米式に変換するアダプタがあることを思い出した。浜風のタイヤのチューブは仏式バルブが着いている。とうぜんインフレーターも仏式に対応しているが、いまは口径は合っても奥行きが違う。しかし、インフレーターの内部パーツを反転すると米式に切りかえられる。一方、仏式のバルブに米式へ変換するアダプタを着ければ、両方が米式になり接続できるかもしれない。

さてチューブ交換 ところが…真鍮の仏→米アダプタ 右上のバルブは仏式
バルブに仏→米アダプタを着けたところ……インフレーターが装着できた

変換作戦は成功しなんとか空気を入れることができた。それにしても炭酸ガス・カートリッジの威力はすごかった。右上の写真の赤いボタンを押すと、シュッと一瞬音がしてタイヤがまるまると膨らんだのだ。1秒もかからない。標準圧まであがっているとは思えないが、とりあえず走るには十分だ。付属ポンプで空気を入れることに比べればオッヘンバッハである。

出先で2度目、4回のパンクを曲がりなりにも解決し、さすが経験の成果と意気揚々と出発した。とろが、100mもいかないうちに、また前輪の様子がおかしい。タイヤが横にはみ出して、空気圧不足を示している。下りてタイヤをチェックするとバルブのキャップをはめていなかった。それ自体は空気圧と直接関係ないが、仏式のバルブは先端にある丸ナットを閉めないと完全に密閉されない。キャップをしてないということは、ナットも締めていなかったことに思い至る。ここで、2本目のカートリッジを消費してしまった。

またもドジ男!?!?

このインフレーター(SPECIALIZED Airtool CombO2)、現場ではどうしてもうまく噛み合わなかったが、なにか自分が間違っているのではないかといぶかしかった。帰ってから購入したショップへメールで訊ねてみた。やっぱり、こちらのドジ。このインフレーターは、ゴムのパッキング(締め口)の奥にプラスチックのスペースサーを置いた2層構造になっていた。

中央 左スペーサー、右パッキング
この2つを合わせて右下のキャップでねじ込む
米式組合せ仏式組合せ

初期状態は米式だったのでこれを仏式に切りかえるときは、パッキングとスペーサーの両方ともに反転させて組み直す必要がある。これを気づかず、前面のパッキングしか反転させなかったので奥行きが浅くなって噛み合わなかったということが判明した。あああ、ぽりぽり。

さすがに少しやる気をなくした。もう一度パンクすると浜風を引きずって水とバケツを探さねばならなくなる。時間も昼に近かったので、とりあえず近場の涸沼湖畔で昼とした。

昼場 堰堤に亀裂が走っている

水門の脇に陣取って今日の泡・サンド。前回に懲りて早めに仕入れてあったのがせめても。

昼場から涸沼南部(上流、筑波方面)昼場から涸沼北部(下流、大洗方面)
群がる稚魚……子供の頃の小川が懐かしい

昼後に少し戻って、来るとき見かけた涸沼特産のシジミを買う。ザックで背負って帰るというと、普通の氷のほかに500mlのペットボトルごと氷らせたものを入れてくれた(帰って夕方すまし汁、翌朝は味噌汁を試したが、後者が美味かった。ちょいとためらいはあったが、できたてのベーコンと涸沼シジミのパスタも悪くなかった)。

シジミを土産に帰るつもりだったが、店から出て浜風をまたいだとたんに気が変わった。せめて涸沼を渡る橋までは行ってみたい。そこまで行けば対岸を走って帰った方が涸沼へ来た甲斐がある。浜風の向きを変え、なるべく涸沼から離れないようにしてペダルを漕ぐ。広大な田圃を突っ切る畦道(簡易舗装)を数キロ進んだところに大貫橋があった。ここで対岸に渡る。すぐ下手は大洗だ。

大貫橋

大貫橋から先はGPSナビはない。北岸もなるべく涸沼に沿って走りたかったが、道は岸に沿ってあるとは限らず、あっても震災で通行不能であったりして、右往左往した。

広浦公園あたりから湖岸に沿って走れるようになる。といっても西浦のように水際に道が走っているのではなく、湖面とのあいだに家並みが断続する。

広浦漁港 シジミ漁の漁船ビオトープとあったが? 花壇が並んでいた
今年はじめて ヒルザキツキミソウガクの赤い筋がおしゃれ

前回は北回りで涸沼自然公園まで来て同じ道を戻った。その涸沼自然公園は震災で閉鎖され、広い駐車場は瓦礫置き場になっていた。前回すっかり気に入った親沢公園はこのよい季節というのにほとんど人影がない。最終日とはいえ連休にこういう状態をみると人口の遍在を思う。

涸沼自然公園親沢公園

親沢公園からさきは湖畔に沿ってサイクリングに快適な道になるのだが、ここも震災の影響が大きい。

歩道が陥没 左の堰堤にも各所に亀裂橋は浮き上がっている

涸沼大橋で南岸へ戻る。大橋とは名ばかりで、橋梁の落ちてしまった鹿行大橋とさして違いはない。ここからは、設定してあったGPSナビのルートへ戻ったのだが、その後のガイドがまったく当てにならなかった。どうもこのGPSナビは、設定したルートの途中からスタートした場合に、自動的に現在位置を認識して情況をリセットしてくれないようだ。おかげでとんでもない道に引き込まれて、谷間の田圃に行き詰まってしまった。

こちらは道に迷って必死だが
水溜まりにオタマジャクシがのんびり

しかたないので、ナビはあきらめ、見当の付いている地点をターゲットに変更して進むことにした。復路が50キロを超えてしまったのはそのせいもある。午後になって気温が上がり、止むまのない強い向かい風が吹きつけた。土埃が目に入るは羽虫が顔にぶつかるはで、あまり楽しい帰途にはならなかった。

51号へ出るとあとはナビは要らない。愛用の田舎バイパスは旧鉾田町の農地を貫いている。ここはイチゴやメロンの特産地。走っていると甘いイチゴの香りが漂うのはいいのだが、それに微妙に養豚場の異臭が混入しているのがたまらない。

温室のイチゴ温室のメロン

最後に家まで数キロのところで風が弱まって、東の空に大きな積乱雲をみた。

大きな積乱雲 あの雲の下は鹿島灘 県道242号志崎付近より

パンクのせいで中途半端な旅に終わった涸沼半周だった。

本日はこれまで。

  
   
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