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Sidewalk投稿 → 看板に偽りあり (11/11)

無量寿寺再訪 2011年11月5日

浜風で行けるほどの所はひとわたり行き尽くした感があり、だいぶ乗っていない。今朝はよいお天気で、このさきどんどん下り坂で明日は雨という。ひさびさにどこかへでかけてみるか。そこで初心に返って鉾田の無量寿寺を再訪することにした。浜風ではじめて遠乗りをしたのがこのお寺。家から20キロくらいだが、そんな長距離を自転車で行くのははじめてだからけっこう緊張したことを憶えている。

マップ

キダチチョウセンアサガオ年に3〜4回咲く

家の側の県道をどんどん北上してKRTの北浦湖畔駅方面へ抜け、北浦湖畔の堰堤道路へ出る。そのままいくと鉾田市内へはいってしまうので、北浦の北端に流れ込む巴川に架かる最初の橋で右岸へ渡る。3月の震災で鹿行大橋が落ちてしまったので、北浦大橋からこの橋まで直線距離で約13キロ対岸へ渡るところがない。しばらく右岸の県道2号を進み、もう一度鉾田川を渡り返して県道8号へでる。当間で県道8号と分かれて、西に畑、東に山を見ながら北上する。この道路は、減速しないと車はすれ違えないほどの田舎道だ。しかし、鉾田ー水戸を結ぶバスが一日数本だが走っているから、車社会になる前は重要な道路だったのだろう。

こんな道を北上する

  はたして大きなお寺なんてある?って感じだが、あるのだ。門前のバス停が「鳥栖寺下」となっているから、この地方ではそう呼んでいるのかも知れない。

無量寿寺

親鸞は常陸国で20年ほど布教活動をしていたそうで足跡は結構多い。浄土真宗の根本教典『教行信証』も茨城在住当時に原型ができていたという。

無量寿寺親鸞聖人遺蹟

きれいに片づいてはいるが、震災の跡が残る。大きな石灯籠は姿を消し、手すりはひしゃげ、石段は補修の跡が真新しい。

前回あった石灯籠がない石灯籠が倒れてひしゃげた手すり

急な石段を登ると、山門の奥にふっくらした茅葺の屋根が見てくる。

山門から本堂が見えてくる秋の菊祭開催中

破風の屋根が子供の御河童頭のように見える。

法事の最中 読経の声だけが聞こえる

静寂のなかに本堂から読経の声が響く。なかなか上手な読経で、不信心者にも安らかな気持ちを起こさせる。浄土真宗のお経は歌うがごとくに唱える。昔の若い女性はまるで流行歌手の歌を聴くようにうっとりと聞き惚れたのだそうだ。真宗の坊主の妻でもあった母方の祖母がよくそう話していた。

向拝の垂木が曲線を描く 
向拝の屋根にも高棟本堂西側

古刹にふさわしい巨樹古木があるが、残念ながら手入れがいいとはいいがたい。親鸞手植えの菩提樹なぞは、信者に植木屋はいないのかと訊きたくなる。

石造りの垣根は立派だが

主幹はほとんど失われている比較的若そうなひこばえが数本

菩提樹の他に天然記念物(だった)のイチョウとケヤキがある。

斑入り銀杏潰れた銀杏 斑入り?

ケヤキは切り株だけ。

ケヤキの切り株
鐘楼

この鐘楼の配色は面白い。袴腰は赤茶の地に黒の桟、天井は白の地に黒の垂木で地味だが、茅葺を層に分ける材の断面の白、天井板の白、垂木断面の黄色がアクセントとなって単調を破っている。渋さのなかの精一杯の色彩表現とでもいおうか。

2年ぶりだったが、やはりなかなかいいお寺だった。前回は4月、今回は11月、さて次回は?

まだ昼には早かったので、鉾田の町を探索してみることにした。

塔ヶ崎十一面観音 その1

鉾田の十一面観音は、このあたりでは有名で前回も訪ねているが、今回、すぐ近くにおなじく「塔ヶ崎の十一面観音」と称するお堂があることを知った。通りがかりに見かけた看板に導かれていったら、あったのだ。両者がどういう関係にあるのか知らない。

厨子は閉じていた

その脇に大宮神社がある。

大宮神社東側に観音堂
拝殿拝殿裏に独立して本殿

塔ヶ崎十一面観音 その2

こちらが縁日が有名な塔ヶ崎十一面観音。さきほどの御堂とは数百mほどしか離れていない。前回訪れたのはこちら。

こちらは開扉

鉾田市内

市内の地図は持たなかったのでいきあたりばったり。知っているのはKRTの新鉾田駅と関鉄旧鹿嶋鉄道の鉾田駅跡(バスターミナル)。その間の道もさだかではないので、今回はそれをはっきりさせることが最大の目的。

見事なツタの紅葉ただの倉庫には惜しいくらい

鉾田市民はガウディがお好き?

鉾田橋

うろうろしているうちに腹も減ってきたので、コンビニでサンドと泡を仕入れて頃合いの場所を探す。すぐ近くに絶好の見晴台があった。鉾田の浄水設備の上を公園にしたものらしい。震災のためか傾いてはいたが、なかなかの昼場。右写真の左側から長茂川、右側から鉾田川が合流して、はるか先で北浦へ注ぐ巴川に合流している。

昼場

昼後も市街探索。

修復不能?
慶喜の宿跡

前回は旧鉾田駅に車両が展示されていたが、いまは姿がなく、鉄道の荒廃が一層進んでいた。

関東鉄道鹿島線 旧鉾田駅鉾田駅近くのキダチチョウセンアサガオ

鉾田から北浦の右岸を忠実に堰堤を辿ってみた。北浦左岸はほぼ直線的なのだが、こちらは何度となく大きな迂回をよぎなくされ、走行距離は直線の倍以上になる。まだ震災から復旧していないカ所があり何度か迂回を強いられる。

まだ復旧しない堰堤道路新設中の鹿行大橋と旧鹿行大橋(右)

レンコン畑からレンコンを買う

堰堤の脇にはレンコン畑が広がっている。いまはレンコンの収穫時期。ちょうど収穫を終えて帰宅しようとしている親子の畑を通りかけた。高齢だが現役の母さんとその息子(多分ね)が泥を洗ったばかりのレンコンを軽トラに載せようとしている。レンコン譲ってくれますかと声をかけたら、よろこんで分けてくれた。小銭が300円しかなかったので、その分だけというと、写真のようにたくさん袋に詰めてくれた。いまどき収穫するとお正月のレンコンはどうするんですかとたずねると、お母さんは、それはまた「12月20日すぎのシッパチ日に掘る」という。その時期じゃ寒くて大変だねといえば、「なに、これが仕事だ」と動じない。このお母さん、誘い水にのって愚痴をこぼすほどヤワではない。別れ際に息子さんが、ありがとうございましたと挨拶をくれた。こんなに戴いちゃ、こちらのほうがありがとうございますだ、と笑って別れた。

園芸種が自生か? ツリガネニンジンの仲間レンコン

浜風の長駆としては短距離のつもりだったが、北浦右岸をなぞったことと、鹿行大橋がまだ使えないため、結構長距離の走りになった。

本日はこれまで。

  
   
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