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筑波山 2012年11月3日

この週末は、ひたちなか市の「虎塚古墳」を訪ねてみるつもりだった。しかし、金曜日の天気がよかったし、気圧配置ももちそうだったので、急遽、筑波山に登ることにした。浜風に筑波神社を見せたので、次は自分が山頂を踏もう。

問題は交通だ。東京方面からだと電車からバスから至れり尽くせりの接続があるのだが、わが鹿島大野から筑波を目指すとなると、いささか事情が異なる。同じ県内とはいえ、北浦、霞ヶ浦の大湖が間に割って入るから、一般交通でのアクセスはほとんど配慮のそと。単純に考えると、

鹿島大野→(KRT)→水戸→(JR)→土浦→(バス)→筑波山口→(バス)→筑波山神社口

となるのだが、土浦→筑波山口のバス便数が少なく、ここがネックになる。しかも、筑波山口から出発するバスはなく、近くとはいえつくばセンターから出る筑波山シャトルバスのバス停まで移動する必要がある。最初に筑波山へ行ったときは、その乗り換えが可能なことを知るまでいささか手間取った覚えがある。以前は、土浦から筑波山鉄道があって、筑波山口はその駅であり、そこを始発として筑波山行きのバスがあった。

話がそれたが、土浦→筑波山口のネックを回避するには、次の経路を取る。

土浦→(バス)→つくばセンター→(バス)→筑波山神社口

あきらかに距離的には大回りだが、乗り継ぎの待ち合わせを入れると、時間的にはこちらが早い。

ブルーは鉄道、赤はバス 詳しくは説明しないが迂回のほどが知れる

さらに、水戸まで北上して土浦まで南下するという、旧都会人にすれば言語を絶する遠廻りをなんとかならないかと思う。唯一可能なパスとして、JR石岡と鉾田を結んでいた旧鹿島鉄道の代替バスがある。一度だけ筑波山からの帰りに利用したことがあったが、いかんせん本数が少ない。去年はついに、往復とも一日1本まで衰弱してしまい、諦めていた。ところが、茨城空港の開港で、旧鹿島鉄道の軌道をバス専用路線に改修して「かしてつバス」が開通した。その恩恵を被り、同じ路線を利用できる石岡←→鉾田間が息を吹き返した。本数が大分増えている。これなら使えそうだ。しかも時間帯によっては旧鉾田駅止まりがKRTの新鉾田駅まで延伸していた。この間歩くと20分近くかかるので助かるが、筑波往復には時間的に利用できない。最大のメリットは土日は「かしてつバス」フリー切符があって、これが1000円。鉾田・石岡間は片道1000円以上するので往復に使うとバス代はほぼ半額になる。その結果、筑波山までの往復旅費が水戸経由に比べて2000円近く節約できる。帰りの石岡の乗り継ぎで最大1時間程度のロスはでるが、時間はあっても金はない年寄りには気にならない。

ということで、えらく前振りがながくなったが、かし鉄バスを利用して、土浦、つくばセンターを経由して筑波山を目指した。鹿島大野を6時前の始発で出て筑波神社入口に9時半到着。シャトルバスが臨時を増発していたので、予定よりわずかに早かった。

筑波山神社口から南方 予想より少し雲が多い大鳥居

長蛇の列で登るのは閉口なので、下調べをしておいたバリエーション・ルートを目指す。

ところが、ガーン。

入山禁止

いつから入山禁止になったのか。しかし、こういう勝手な仕打ちには無性に反攻したくなるのがこちらの性分。ってやんでえ! と侵入したのはいうまでもない。

というわけで本日はルートの中身については、ここで書くのは控えておく。ただ、注意することは、通常のルートにはある標識はないし、○やら×やらのペンキマークがすべて塗りつぶされている。最初は気づかなかったが、しだいに目が慣れると岩肌と類似色のペンキで目に着かぬよう偽装されていることが分かる。なんでそこまでする?。それと今回のルートはほとんどが森林内で持参のGPSロガーではまともなデータは取れなかった。このあたりのルートをログもどきに掲載しているページは多々あるが、よほど高精度の機器を使ったのだろう。

のちほど山頂付近で、立ち話を通りすがりに聞いたのだが、入山禁止は登山者の急増で自然が踏み荒らされるのを防ぐためだという。そうなると暴走老人ならぬ反攻老人も返えす言葉がない。関東平野にそびえる秀峰に人々が蝟集して蚕食するをみるのは耐えがたい。だがそれだけの人の集中があれば地域経済への貢献もすくなくなかろう。観光・登山客がこの狭い地域に到来し金を落とす先は観光施設(ケーブルカー、ロープウエイ、バス、土産物店、旅館)だろう。集金機構の効率化と整備経費節約のために公宗民(県政策課、神社、警察、地元)が結託して、自然保護に名を借りた手抜きを正当化しているだけじゃないか。反攻老人はそうかんぐるのである。利益を適切に還元して、それなりにルートを整備すればむやみに自然に踏み込むこともなくなるはずだし、長年のトレールをもみ消す必要もないのでは。

山頂周回路展望スポット(岩場)より 南東方向
山頂周回路の展望スポットより 南西方向

山頂付近のお気に入りの場所は、アマチュア無線の愛好者がさきにいて、さかんに下界と交信している。ここなら360度全指向性のアンテナの天辺にいるようなもの。さぞかし同好の士の人気スポットなのだろう。それにしても、自然保護を名目にすればこんな場所はたちまち立入禁止だ。いつもの場所を少し外してプチ宴会とする。

泡とワインで2時間ほどものんびりしたろうか。今朝の登りは常緑樹のトンネルをくぐる陰々たる道で、せっかくの好天だというのに爽やかではなかった。帰途は、長い距離になるが明るく開けたつつじヶ丘に下ることにしよう。

御幸ヶ原のにぎわい同左より 北東方面

つつじヶ丘ルートは筑波山でもっともよく整備された歩きやすい道だ。女峰直下の急登を除いてはあえぐような難所もない。

女峰よりつつじヶ丘  はるかに霞ヶ浦(左石岡、右土浦)

筑波で一番歩きやすいコースだからか子連れの親子がつぎつぎに登ってくる。それも元気よくとはいかない。ロープウエイまでたどりけるかちょっと心配になる。懐電の用意などなかろうに、日が暮れたらどうするのだろう。

前回同様、シャトルバスは終前の4時半になった。つくばセンター経由で土浦へ出て石岡でかしてつバスの鉾田行きを小一時間待つ。バス停鉾田駅からKRTまで15分ほど歩いて、高架の新鉾田駅が見えたところでホームから鹿島神宮行きのディーゼルが出ていった。さいわい20分ほどの待ちで終前のKRTに乗れた。帰宅9時40分。読売巨人が優勝していた。

本日は、これまで。

  
   
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