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ダイコンのビール漬けの作り方

これは秋田出身の友人から聞いた即席漬け。“即席”というのは、漬け物といっても“発酵”過程が含まれていないという意味である。手軽に作ることもできる、少し手をかけてもいい。

オリジナルの作り方は、こんな風だ。

秋田レシピ

大根           10キロ(大体9〜10本)皮はむかない

ビール        大ビン1.5本

酢              2カップ

ザラメ    1キロ

白砂糖        1キロ

塩             2カップ

鬼からし   200g

大きな鍋にビール他の調味料をいれて混ぜてから大根にかけます。

10日くらいしたら上下入れ替えます。ビニール袋をかぶせて香りが逃げないようにします。

重石は大根の倍くらい。

15〜20日くらいで食べられます。

簡単に作れる男の漬け物である。結果はすこぶる美味い。

しかし、これを何度か作るうちに、あまりにも漬け汁の材料がもったいない気がしてきた。実際、上記通り漬け汁を作ってみると実感する。ものすごい量なのだ。はじめは、もったいなくて1回使った漬け汁に、少し追加して2回目を漬けたりした。

漬け汁の材料がこんなに多く必要なのは、ダイコンから出る水で薄まってしまうからではないかと考えた。

そこで、今回は、思い切って方法を変えてみた。まだ成功かどうかはわからない。

ポイントは2つある。

(1)ダイコンを荒漬けして、上がってきた水は捨てる。

(2)漬け汁の材料を半減する。

その結果、次のようになる。

OJレシピ

大根           15キロ 皮はむかない

ビール        大ビン1本

酢              1カップ

ザラメ    500グラム

白砂糖       500グラム

塩             3%(荒漬け後のダイコンの重量を基準)

鬼からし   100g

ダイコンを重量の3%の塩で荒漬けする。重石は大根の倍以上。

水が上がったら捨てる。

上記の漬け汁で漬ける。

ケーススタディ

2008年1月18日

ダイコン15キロを塩3%で荒漬け開始した。 ダイコンは、ザック、ザックとぶつ切りにして、塩をふりながら桶に放り込んだ。

重石は、39キロ

2008年1月21日

水が上がらない。まだ横にしたダイコン1本の半分くらいしか隠れていない。そこで、ぶつ切りのダイコンをさらに、縦に半切りにして、天地返しした。

考察:オリジナルレシピでは、ダイコンは最初から漬け汁にタップリ浸るので、浸透圧で急速にダイコンの水分が出る。OJ法では、3%の塩と少しの呼び水に重石の圧だけで水を出す。これでは水がでるのに時間がかかりすぎる(以前、丸のまま試みたときは15日くらいかけた覚えがある)。最初に、塩をまくだけでなく、まんべんなくダイコンの断片にすり込まないとだめなのかもしれない。

あるいは、薄めの塩水でダイコンが半分以上隠れるようにして水あげすれば早いか。

2008年1月24日 本漬け

午前中に見てみると一挙に水が上がっている。

ダイコンはすっかり水に浸っていた重石をどけたところ

昨日は外出したので見られなかったが、昨日本漬けでもよかったかもしれない。

出た塩水を計ると6.9キロあった。

生のダイコンは15キロあったから、荒漬けの終わったダイコンは6キロになる。

午後2時仕込み開始。

作業過程を、携帯のカメラで撮った。

まだ固いものから下へ並べるすべて並び終わった
15キロのダイコンも水が出てしまうと、こんな量だ。
材料一覧(全量を使うわけではない)材料の重さを量って鍋に入れる
ビールと酢を入れてよくかき混ぜる
カラシは溶けにくいので、丹念に溶かしながらやる。
面倒なら、泡立て器でかき回してもよい。
漬け汁を振りかける
最上層は表へ出ていて、漬け汁が少ないようだが、
浸透圧でさらに水がでるので心配いらない。
明日には、ひたひたになっているはず。
落とし蓋をして重石12キロを載せる

これで外蓋をして、あとは時間にまかせる。

2008年1月25日

朝方、漬け汁の上がり具合を見る。

重石は少し傾いているが直すほどではない漬け汁がたっぷり上がってきた
漬かり具合を見る 2008年1月28日
こんなに上がってきた落とし蓋を開けて中身をチェック
そろそろ漬け上がり 2008年2月5日
重石は2月1日に軽くした
ダイコンが縮みすぎのような気もする
さらに早めに軽くすべきだったか
漬かり具合を見ながら、寒い時期ならば
そのまま漬け汁に浸けておき
食べるときに取り出す
十分漬かったら、すべて取り出して冷蔵庫へ
これが完成品
桶から取り出して水分を切れば食べられる

食べてみた。

カリカリとした歯ごたえとともに、つんと来るカラシの刺激と砂糖の甘みが口に広がる。美味いが、秋田レシピに比べて、いささか風味に差が出た。秋田レシピのように、果物を食べたときのようなジューシーな味わいがない。

その原因は?

(1)漬け汁の材料が半分になったため、砂糖の甘みとカラシの風味のバランスが変わり、ややカラシが勝って甘みが薄れた。これは、砂糖を少し増やし、カラシを少し減らせばよいだろう。

(2)荒漬けの重石が重すぎたか時間が長すぎたか。そのせいで、ダイコンの水分が出すぎて、生の充実感じが薄れてしまった。これを重石の具合で調整するのが次回の課題だ。

いずれにしろ、漬け汁の調合と重石の加減を改良する余地はあるようだ。

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