道草Web

我が家の燻製炉(スモーカー) 

目次
構造
温度制御と熱源
これが実物だ

構造

我が家の燻製炉(スモーカー)は、庭の片隅にコンクリート板とブロックで組み上げたものだ。手先が器用というわけではないので、不細工なものだが、実用には耐えている。

炉の内部寸法説明
高さ(60cm)ブロックを横置きに3段
幅(40cm)ブロックの長手寸法
奥行き(60cm)ブロックの長手寸法×2 - (厚さ + α) 

市販のコンクリート板の上にコの字にブロックを3段積んでモルタルで固めた。コンクリート板の水平が結構面倒だったが、砂を撒くとよいとTVの番組で話していたのでやってみた。ほぼ水平にはできたが、実際には少し奥が下がっていたようだ。燻製ではチップや肉、魚から相当水分が気化する。これが凝固して底に溜まると、この炉では奥に水たまりができる。一枚のコンクリート板の上にブロックが乗っているので、補正は可能だが、掻き出せばすむのでまだ直していない。

上面は、燻製の状態が目視できるようにガラスにした。といっても、以前に使っていたソニーのTVの前面パネルである。しかし、あまり意味がなかった。ガラスにヤニがついて見にくいのと、なんとか煙の出具合は確認できるが、燻煙が盛んなときは煙しか見えない。それにガラスは熱が逃げやすいので、通常は、板で覆っている。ガラスとブロックの間は、ロの字に組んだ角材を挟んでいる。ガラスと角材間はネジ止め(TV用にガラスにねじ穴が空いていた)、角材とブロック間はコーキング剤で接着してある。

温度制御と熱源

温度制御には、サーモスタットと電熱器を使っている。

器具説明
サーモスタット 制御温度範囲 30〜110℃、電力容量 1200ワット
電熱器 600ワット、200ワット、さらに補助使用の自作300ワット 
温度計次表で説明するが、サーモスタットの設定温度と実際に維持される温度は違う。それに、温度はつねに一定ではないから、温度変化をモニタする必要がある。そのために、制御温度範囲をカバーする温度計が必要だ。

温度制御関係のパーツは秋葉原の坂口電気で購入した。

温度制御は買ってきてダイアルを合わせておけばすむというものではない。サーモスタットの性能と実際の炉の温度特性によって、実地にテストして“クセ”をつかんで、使いこなす必要がある。

温度制御の関連項目 説明
設定温度と実測温度の誤差サーモスタットのダイヤルの設定温度と、炉内のセンサーの周囲の実際の温度には誤差がある。
例えば、目盛を60℃に設定しても、実際の温度は65℃ということがある。現在、ぼくが使用しているサーモスタットはそのくらいの誤差がある。
設置した機種や環境により設定値と実測値にどのくらい誤差があるか把握すること。そのためには、別の温度計が必要になる。
制御誤差サーモスタットは、センサーの温度がダイヤルで設定した値を超えると電源をオフに、それより下がるとオンにする。しかし、温度上昇にともなってオフにするときと、下降にともなってオンにするときと、どちらでも遅れが生じる。
普通は、±3℃くらいはある。つまり、60℃に設定しても、57〜36℃くらいの変動がある。
実際には、次項の「オーバー/アンダーシュート」で、その幅はさらに大きくなる。
オーバー/アンダーシュートサーモスタットの電源が切れても電熱器は予熱でさらに炉を温めるし、逆に、電源が入っても電熱器・炉本体が暖まるまで遅れがある。このため、前項の誤差の範囲はさらに広がることになる。安定な環境でも±5℃くらいはいくだろう。
チップ燃焼による発熱さらにオーバーシュートを大きくする要因がチップの燃焼熱である。実測してみると、65℃に設定してもいとも簡単に80℃を超えることがある。
電源を切っても燃焼は続くから、温度上昇も続き、サーモスタットでは制御できない。せいぜい、1回のチップの投入量を少なくして影響を少なくするくらいだろう。
本格的な燻製炉は、発煙機構を別区画にして、導煙管でみちびき、燃焼熱を隔離している。煙源隔離も試したいきもするが、ときたま20℃くらいオーバーしても、そうひどいことにはならない。まあ、いまのところ、だましだましで、なんとかなっている。

これが実物だ

では、我が家の燻製をながめてみよう。

正面(前蓋が付けてある)側面
上面(ガラス)
使用中は前蓋を被せる
正面
前蓋を外して、ガラス板の上へ被せる(保温)
中にはフロントパネル(厚手の合板)
素材を載せる金網
電熱器、チップの容器、オーブントレイなどを格納
素材を載せる金網
液だれ除けのオーブントレイ
電熱器など
左側の2枚はチップを入れる容器
右側の異様なものは自家製300ワットヒーター
(相当、やばい)

前面は厚めの合板で作ったフロントパネルで覆う。フロントパネルには2つ開口部がある。左下の開口部は予熱のときの換気に使う。電熱器のコードもここを通す。右上の開口部は温度制御パネルをはめる。

フロントパネル
動作中はフロントパネルでふさぐ
炉の不使用時はフロントパネルは炉内に収容
前蓋
炉の不使用時は前蓋で前面を覆う
フロントパネルの手前は制御パネルと配線制御パネル
サーモスタットの温度調整ダイヤルと
確認用の温度計
→秋葉原の坂口電気
制御パネルの温度計は差し替えることができる反対(内側)から見た制御パネル
右に延びているチューブ(キャピラリー)先端の
太い部分がサーモスタットのセンサー
この中の液体が温度によって収縮/膨張して
ダイヤル部分内蔵のスイッチをオン/オフする
コールマンのストーブで予熱する
金網も温めておく
実際にはフロントパネルで前面に蓋をする
フロントパネルの左下開口部を開けて予熱中
フロントパネルには温度計が刺せるように
小さな穴が3つ開いている
制御パネルの穴も入れると4つになる
温度計を刺さないときは金棒で塞いでおく
煙のかけかたで使用する電熱器を代える
左側600ワット、右側200ワット
炉内の300ワットは皿にニクロム線を置いた自作
フロントパネルを付け配線したところ
開口部と制御パネルは取り外し可
▲Page TOP


現在の閲覧者数:
inserted by FC2 system