道草Web

居間で朝刊を読んでいると、急に表にコツコツと大きな音がした。どうもこれはコゲラの啄木の音だ。ごく近くから響いている。まさか家の庭にとは思ったが、そっと となりの八畳間の障子を開けてみると、アケビ棚にコゲラ(多分メス)が見えた。3mほどの距離だから姿がよく見える。それでも逃げないのは、ガラス戸の反射で外からは室内が見えないのだろう。棚の横木にした竹の上に止まってコツコツやっている。相手が竹だからよく響き、まさにドラミングだ。音は高いが、虫などいっこない。普通、コゲラはコナラやクヌギの樹幹を螺旋状に上昇しながら 虫を探すが、横になった竹に乗って叩くコゲラは初めて見た。アケビ棚は道路に面しているから人が通れば、飛び去ってしまうが、たまたま人通りがなかったので、10分ほども叩いていたろうか。しばらくして飛び去ったあと、二階から棚を見 おろしてみたが、突いた痕跡は見えなかった。ただドラミングを楽しんでいたのだろうか。変わったキツツキである。


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