道草Web

先日の集会でGTさんから、指輪物語(TheLoadoftheRings)とは、いったい何ジャという御下問がありましたので説明します。

今回の映画の原作『指輪物語』(翻訳初版は昭和47年、僕の読んだのは第七刷で昭和56年)は、「旅の仲間」「2つの搭」「王の帰還」の3部からなり、英語版のペーパーバックで1000ページを越える大作です。翻訳版は、文庫で9冊になります。今回映画化されたのは第一部旅の仲間です。残りも撮影は済んでいて、編集中とのことです。

指輪物語は、J.R.R.トールキンというオックスフォード大学の言語学者がでっちあげた、大人のファンタジーです。同じ頃に、同僚のC.S.ルイスはナルニア国物語という、これも長大なファンタジーを書いています(こちらはカメちゃんがお気に入り)。オックスフォードは暇なのか?

物語の舞台は、中つ国という架空の世界で、人間や妖精やこびとや鬼などの様々な種族が住んでいますが、これらは主に北欧の説話に出てくる諸々の魑魅魍魎が原型になっています。物語の主人公は、ホビットというこびと族の、フロド・バギンズという青年です。フロドは義理の父親であるビルボ・バギンズが偶然のことで入手した魔力のある指輪を相続します。この指輪は冥王サウロンが造ったのですが、サウロンが人間との戦いに敗れたときに、その手元を離れ所持者を転々としています。指輪の力は絶大で、それを入手したものは世界を支配できるのですが、邪悪な力なので平和な世界は望めません。幸い、物語の発端では、善良なホビットが所持していたので、悪用はされていなかったのです。しかし、指輪の所持者は、いずれ指輪の魔力の虜になるという運命にあります。

かって人間に破れ死滅したかに思われたサウロンは、あるとき息を吹き返し、指輪の所在を探しはじめます。指輪は指にはめて初めて力を発揮しますが、同時にその所在をサウロンに発信するのです。中つ国の族長会議で、指輪は消滅させるのが最良という結論に達します。しかし、通常の手段では指輪は破壊できません。それが造られた火山の火口に投げ戻すしか方法がないのです。そこでフロドは、この指輪を消滅さる使命を帯びて、その火山へ向かって旅をします。その途中、指輪を狙うサウロンの手先から何度も襲撃を受けたり、各地に生息する化け物や妖怪と戦いながら目的を達成するというのが、物語の骨子です。

このファンタジーは英語圏では、20年くらい前に一世を風靡しました。関連図書も多数あり、中つ国のガイドブックや指輪物語事典まであります。また、同名の交響曲が作られたり、とくにコンピュータ関係では、登場人物の名前を付けた会社が現れるほどでした。その当時にも映画化され、ぼくも見たのですが、まだCG技術がないころで、第一部だけで失敗しています。指輪物語やトールキンで検索すると、山のように関連サイトがあるはずです。


現在の閲覧者数:
inserted by FC2 system