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餓鬼岳

梓編年

今回の餓鬼岳は、登、下山ともに相当にヘビーなルートで、久々にしごかれました。

白山で多少下地を作っていなかったらと思うと冷や汗ものでした。

前日は、アプローチに迷って時間をくい、多少遅くなったものの恒例の宴会だけはしっかりこなしました。

初日は、前半は沢沿いに数知れぬ橋を渡り返す緩やかな登りでしたが、こうしたコースの例に漏れず、後半は急登に継ぐ急登となりました。最後には雨にもたたられましたが、ほぼコースタイムでこなせたようです。

中日は、テント場周辺は終日ガスにつつまれときおり小雨となる悪条件で、唐沢岳往復は宴会に変更。なかなか楽しい一日となりました。合間を縫ってめいめい山頂付近での植物の撮影に、テント場周辺のツツジ科の分類(クロマメノキ、クロウスゴ、ウスノキなど)にと時間を過ごしました。

最終日は全天快晴(もっとも地上は雲海の下)となり、餓鬼岳山頂から、360度、きら星のごとき山座の同定に半時間ほどを費やしました。

下山した東沢コースは、その名前の通り沢通しの下りですが、前半は数100メートルにわたって沢を埋めつくす背の高いお花畑(シシウド、サラシナショウマ、オニシモツケなどの白い花、ハンゴンソウ、キオンなどの黄色い花、ソバナ、アザミ類、トリカブト類などの青の花など)、中盤は荒涼とした花崗岩質の沢歩き、最後には大高巻のしごきがあり、なかなか変化に富んだ(???)コースでした。

話題はいろいろつきませんが、今回の記録詳報は齋藤君が担当することになっていますので、お楽しみに。

善さんの写真にちょっとコメントします。

パノラマ1
餓鬼岳山頂から南側

中央に槍が目立ちますが、その手前の山塊が燕です。やや左の奥に前穂奥穂の吊り尾根がわずかに見えています。さらに左に霞んでいるのは中央アでしょう。手前左から槍方向へ延びる稜線が、燕へ向かう縱走路で、途中まで最終日の下山に使いました。 槍の右、一番奥には小さく笠が見ています。双六谷からの帰りの死の行軍の話が出たのは言うまでもありません。槍から右へ延々と続くのは、双六、三俣、鷲羽、野口五郎(一番右の岩肌の明るい山)の稜線です。

パノラマ2
餓鬼岳山頂から北側

餓鬼山頂の社から続く尾根の先端が、今回行けなかった唐沢岳 のピークです。近そうに見えますが、途中大きく落ち込んでいます。その奥が七倉。左側は野口五郎(写真より左)から烏帽子、舟窪にかけての稜線で、やや雲の多いあたりの奥が五色ヶ原から立山への稜線。唐沢の右の端正な三角形の山が針ノ木。その左の雲のなかに剣があります。このときは見えていない山座も雲の晴れ間にすべて視認しています。針ノ木の右のどっしりした山塊が蓮華。右端奥の双耳峰は言うまでもなく鹿島槍です。

写真1
シラヒゲソウ(ユキノシタ科)。初日の沢で、はじめて見ました。名前は自然に浮かんできたので図鑑などで印象に残っていたのでしょう。

写真2
クロウスゴの実(食器の中)。中日、善さんが暇にあかせて集めたのも。ミヤマクロマメも大きな実をたくさん着けていましたが、まだ青くて食べるに早すぎました。なお、イワシの干物は白山を縦走したものです。そのときのビーフジャーキーも中日の宴会のつまみとなりました(大森さんごちそうさま)。

写真3
カラマツ。下山日の稜線にて。岩稜帯の風衝地に生えたため、このように盆栽のような風情になっています。植林のスッキリ伸びた樹姿からは想像できません。

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