神皇正統記あれこれ

神皇正統記評釈   神皇正統記の年表   神皇正統記の地図   常陸国と周辺の城砦     [OjerbWebへ]

はじめに

自転車で散歩に出掛けたとき訪れた神宮寺城趾、阿波先城跡に北畠親房の足跡があったことをきっかけに神皇正統記に興味が湧いた。手軽だからWebで調べてみると原典の注釈が公開されていた。うっかりそれを覗いたのが運の尽き。もともとこちらの知識がないことがわるいのだが、あれを調べこれを調べで、どうにも収拾がつかなくなった。で、当時の年表を作り、関連の地図を作りと、芋づる式に作業が増えた。まあ、Webそのものが「電子化芋づる」のようなものだから当然といえば当然の成りゆき。結果、いい歳をして神皇正統記を軸にして南北朝時代のおさらいをする羽目となった。以下は、その成果と顛末である。

今回作成したものは、次のとおり。これらは各ページ上部のナビバーからも参照できる。

上記年表はWebで見つけた同年代の年表をコピペして、HTMLで修正を加えていった。利用したものの内容はほぼ書き換えてしまったので、原典は示さない。本文(これ)はMicrosoft Wordで予稿を書き上げ、HTMLへ移してから適当な量に分けて、目次を付けた。2つの地図は、Googleマップの「マイプレイス」を利用している。

ルビ付き縦書きにする

Webを検索するとすぐに日本文学電子図書館のサイトに『神皇正統記評釈』(荒山慶一氏作成)のあることがわかった。あとで知ったが、この原資料の著者大町芳衛は明治の文人大町桂月であった。Web資料をそのまま読もうとしたがこれがとても見にくい。画面一面にびっしり詰まった文字に圧倒されて読もうという気が起きない。資料としては正確を期しているのだろうが、フォントの見やすさや行間の取り方など、素人が読むことへの配慮がないのだ。漢字の要所要所にカッコ付きで読み仮名が付してあるのが有難いが、このスタイルだと視線が左右するのでますます読みづらい。そこで、鳩ヶ谷博物誌でも使った『涅槃』を使って縦書き化することを思いついた。このツールは、JavaScript で書かれたプログラムでソースも使い方もGoogleコードで公開されていているのでありがたく利用させてもらう。

評釈では、下記の形式で読みが付いている。

神皇正統(じんわうしやうとう)

涅槃では、次のようにルビを指定する。

<ruby><rb>神皇正統</rb><rt>じんわうしやうとう</rt></ruby>

つまり、漢字を<rb></rb>で、読み仮名を<rt></rt>で括り、その全体を<ruby></ruby>で括ると、涅槃が次図のようにルビ付きの縦書き表示にレンダリングしてくれる。

このために必要になる作業は、次のようになる。

(1) ルビをつける漢字の先頭位置に<ruby><rb>を挿入する。

(2) 左カッコ→</rb><rt>へ置換

(3) 右カッコ→</rt></ruby>へ置換

ここで、(2)、(3)はエディターでカッコを全件置換してしまえば自動的にできる。さいわい原資料はカッコを他の用途に使っていない。問題は(1)の作業で、ここは人が目視で判断してコピー&ペーストしなければならない。そのためには必然的に全文を読まざるをえないことになる。

というわけで、2週間ほどかけて縦書きルビ付き『神皇正統記注釈』が完成した。

HTMLのタグを付けるので1回、ルビどうしが重ならないための位置調整で1回、計2回正統記の全体に目を通した。その間にも、気になる個所で語句の意味を調べたり歴史背景を調べたりしたのでその概要はわかった。神皇正統記を逐一読む気はさらさらない。親房の直接的に関与した時代、つまり後醍醐の時代を中心に少しまじめに読んでみた。

注:以下の本文には適当にルビを付けたが、これは涅槃による縦書きのルビとは関係なく、HTML本来の機能に含まれるタグで設定した。ルビをサポートしないブラウザでは、漢字のあとにカッコ付きでルビが表示される。

資料

Webを漁るだけでは分からないことも多いので、市の図書館から3点資料を借りた。

中公は神皇正統記の口語訳、岩波は原典にルビと詳細なコメントを付してある。吉川は事象の期日と人名の読みの確認に便利だった。

Webから参照して利用させてもらったサイトについては、本文中にオリジナルへのリンクを付してある。なお、数カ所引用している『太平記』は、『神皇正統記評釈』と同じ日本文学電子図書館収録のものである。

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