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ベーコン自慢 2008年5月29日

あまり暑い季節に燻製はむかない。ベーコンのストックもなくなりそうだ。そろそろ梅雨前に夏を越せるだけの分を作っておきたいと思っていた。

たまたま町会に、プロ専門のスーパーで買い物をできるカードをもっている仲間がいて、町会の集まりのあとの宴会で雑談していたとき、いちどそこへ行ってみようと誘ってくれた(5/4)。外環の安行の道の駅に近いメトロ(ホームページによると、プロ相手の現金問屋でドイツを本拠に世界展開している)という店だ。会員資格は営業許可証をもっていることだけで、会費などは無料。会員といっしょにもう1名入店できる。

前日は深夜までの宴会につきあって、相当ダメージがあるはずだったが、約束通り車で迎えに来てくれた。

まだ10時をすこし過ぎたくらいだから店はすいていた。大規模な店である。顧客のためというより陳列商品のために冷房がガンガン効いている。天井も高く大きな工場へ入ったような印象だ。レストランなどの営業に必要なすべての品揃えというのがコンセプトらしい。生鮮食品、酒、料理器具、店の制服と、なんでも揃っている。プロが相手だけに、筑地同様、販売単位はキロである。あるいは、数キロの大きなパックが単位になっている。ばら売りもあるが明らかに割高になる。

はじめは見物するだけのつもりだったが、肉の売り場を見ているうちにベーコンのことを思い出した。値段は安い。ざっとみて1/3くらいか。もっとも肉塊のパックだから、それを整理して、調理向けの形状に整えれば、人手もかかるし、無駄が相当でるだろう。それが妥当なのかも知れない。

店を一巡して、また肉売り場へ舞い戻った。ここは別室になって、ことさら冷房が効いている。薄着できたので長居はできない。えいやっと、6キロほどの真空パックのロースのブロックを買った。値段は6千円ほどだった。豚一匹からこのサイズのロースのブロックは2本とれる。つまり一匹分の半分である。

普通ベーコンというとバラ肉を使う。これを我が家の燻製炉で燻すと、あわれなほど肉の部分がやせて、脂の層ばかりが残り、脂のあいだに薄い肉の膜があるといった風になる。市販のベーコンは肉と脂のバランスは生のときとあまり変わっていない。いかに製造工程で増量や保湿のための処理をしているかがわかる。仕上がりの肉と脂のバランス、それと値段をも考慮して普段は肩ロースでやっているが、ここは安いので真性ロースでやってみようと思った。ショルダーベーコンからカナディアンベーコンへ格上げだ。家へ帰ってすぐに塩漬けにするわけだが、その前に肉質を見るためにソテーにしてみた。この量でダメだと悲劇であるが、まあまあの味で安堵した。

10日ほどタマネギのスライスとスパイスを加えて塩漬けして冷蔵庫で寝かす。それを6時間ほど水にさらして塩抜きをする。それをさらに一晩冷蔵庫で乾燥させ、さらに半日扇風機で風をあてた。その結果が、次の写真(5/16)。

風干の完了した豚ロース 長すぎるので塩漬けのとき半分に切った
燻製炉に設置

これから、60度で温干2時間、そのあと、65度で燻製4時間である。

ところが温干を開始してからチップが足りないことに気づいた。近所のホームセンターにはないので、自転車で往復1時間ほどかけて買い出しへ急ぐ。温度管理はサーモスタットまかせで心配はないが、朝の散歩で2時間ほど歩いていたのでちょっと疲れた。

で、6時間をかけて仕上げたカナディアンベーコンをお見せしよう。ベーコン自慢だ。

見事な照りだが、種明かしをすると、燻製チップだけではこれほどきれいに仕上がらない。最後にザラメを焼くのだ。そうするとこの照りがでる。味は絶品というほどではないが、まあまあ合格であった。

  
   
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