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三ツ石森林公園・浅間山 2009年5月10日

ひさびさに山に登ってみたくなった。しかし、この鹿行地方というのは地ぶくれぐらいの丘陵しかない。ネットで地図を漁っていると霞ヶ浦の向こう、筑波の手前に、ちょっとした山地があり雪入山とか浅間山などのピークがある。詳細に見ると加波山・筑波の山並みが高度を下げつつ霞ヶ浦に向かって南下し、その最先端に位置している。行ってみたくなった。目標を三ツ石森林公園・浅間山とした。しかし、道路距離で往復約100キロある。まだ浜風でそこまでの長駆はしたことがないが、まあ成り行きよと自転車向きのルートを調べる。霞ヶ浦大橋まで出れば、あとは「霞ヶ浦サイクリングコース」と「恋瀬川サイクリングコース」をつなげて、その山域の麓までたどりつけることがわかった。

本日のマップ

ニセアカシアが満開今朝も南無南無

7時過ぎに家を出て霞ヶ浦大橋に着いたのが8時50分頃。

霞ヶ浦大橋 8:49霞ヶ浦サイクリングコース この辺りから遡行

この橋を渡りきったところで霞ヶ浦サイクリングコースに合流する。走り出してすぐに23.5キロ地点の標識。キロ数はだんだん増えてゆくので川下が基点らしい。

単調な土手道が延々と続く 正面に小さく筑波山オニノヤガラの群落

ちょうど田植えの時期で堰堤脇の田圃がにぎやかだった。空高くにヒバリが囀り、田圃の脇のアシ原ではギョギョシ-ギョギョシとオオヨシキリが騒々しい。ヒナ連れの居つきのハクチョウの番も見かけた。しかし、ひたすら漕ぐ。

石岡市の標識を見る辺りではじめて舗装が途切れて恋瀬川の右岸に入ったようだ。だが、そのときは霞ヶ浦を離れたとは気づかなかった。ここから恋瀬川ですとは、どこにも書いてないし、合流部は茫洋として川も湖も区別できない。新しく砂利を敷き詰めたばかりで轍のない路面はソロバンの上を走るようでうんざりした。

恋瀬川サイクリングコースの始まり 9:52恋瀬川

この標識ではじめて恋瀬川に入ったことに気づく。サイクリングコースはほぼ正面に筑波山を見ながら進む。位置からして手前左に見えるのが目的の山地だろう。

おそらく中央の最高峰が雪入山、右手が浅間山か 離れて右奥が筑波山
菜の花のサイクリングコース ほとんど人気なし逃げ出した菜の花が河川敷を覆う

霞ヶ浦のコースはそれなりに人出があり、車も通るが、こちらは人と自転車専用。ときおり地元のひとと出合うだけだった。

五輪堂橋付近でサイクリングコースを離れる 10:40三ツ石森林公園入口 11:21

サイクリングコースから一般道へ入り、まずはコンビニを探して昼飯を仕入れる。これまでほとんどコンビニなど見かけなかったが、幸いすぐに見つかった。実は、にぎやかそうな反対方向へ探しかけたのだが、ゆきすがりの自転車のひとにそっちにはコンビニはないと聞いて引き返したのだ。

一般道から山麓沿いになるべく標高の高い小径を選び三ツ石林道に合流。ここからは本格的な登りになる。あとは漕いだり、手押しで進む。やがて、林道右手に三ツ石森林公園の案内板が現れる。看板から脇道に入り、10分ほどの登りで立派な「もりの小屋」を見る。

三ツ石森林公園 もりの小屋 11:29

小屋の前の広い駐車場(見晴らし広場)には2台ほど車があったが、ひとかげはない。背後の観察道を散策しているのだろう。小屋は下足禁止で、靴を脱ぐのが億劫だったが、中へ入ってみた。この高所でも水道設備があり、蛇口をひねるととうとうと水がほとばしる。汗みずくの顔を洗い喉を潤す。

小屋に配備のマップ

浅間山山頂で昼飯の心積もりだったので、小屋を出て背後の散策路を一巡し登山道を探した。国土地理院の地図閲覧サービスで見たところ、このあたりは広い尾根筋になっているので主陵線まで踏み跡ぐらいあるだろうと思っていた。

散策路に花は少なかった わずかにジュウニヒトエ

最高所にある三ツ石の丘まで行ってみたが、脇にそれる踏み跡はすべて途絶えている。しかたなく、小屋まで下り、見晴らし広場の脇の芝生広場で昼食とした。山頂でないのが残念だが、場所としては最高。この頃には、左端に見える木陰がないと暑すぎるくらいの気温になっていた。

芝生広場 枕木を敷き詰め、あいだは芝生階段兼ベンチの左側、木陰に陣取る 12:13
今日の装備霞んでいるが霞ヶ浦方面

さきほど多少給水したとはいえ、からからの喉にビールは‘うみゃーてたまらん’。サンドイッチとおにぎりの昼食に舌鼓を打つ。ときどき車が上がってくるくらいで周囲は森閑としている。

昼食後、相当疲れてはいたが、ここまできて山頂を踏まないのも悔しいので、いったん林道まで下りて、あきば峠方面へ上り返すことにした。三ツ石林道を多少アップダウンしながらすすむと雪入林道に合流する。それからわずかあきば峠へ登ったところに標識のない分岐点があった。これが旧道に違いない。

浜風をデポ枯れ草のふわふわした旧道

旧道は枯れ草が積もってふわふわ。足裏に心地よい。斜度も急になったので、旧道脇に浜風をデポした。

名物らしい、石噛み桜

旧道を登り切ると浅間山への分岐へでる。そこから少し登ったところが、浅間山登山口。浅間山はおおかた富士山信仰の山であるから、入口には注連縄がかかり、山道のというより参道の雰囲気がただよう。山頂までは一直線の登り。これをわれわれの山仲間では‘越後上り’と呼ぶ。信州なら一工夫して道を巻いたりジグザグを切ったりするところを、なぜが越後の山は一直線に頂上を目指すことが多いからだ。

浅間山入口  13:25山道、参道

頂上がすけて見えるくらいなのでさしたる上りではないが、斜度は結構ある。カタクリの葉を見かけたので、春先には花が見られるかも知れない。

浅間山 山頂の祠 13:33

目標達成!!! 浅間山の頂上を踏む。しかし、昼食はさっきのところが正解だった。ここは木立に覆われ、脇には殺風景な中継塔があって楽しくはない。

あとはひたすら同じ道を戻るだけ。しかし、森林総合研究所の脇に「百体磨崖仏」の案内板を見て、思わず寄ってみた。

森林総研のヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)

軽い気持ちで寄ったのが間違い。入口から磨崖仏マガイブツまでは結構な高度差がある。

磨崖仏 14:25
首を毀たれた仏像 廃仏毀釈の名残だろうノウゼンカズラ科かと思ったが???
サイクリングコースへ戻る途中の恋瀬川サイクリングコースの途中であったクサガメの子

帰宅6時半。往復100キロ。行程11時間半。昼食と浅間山を除くとほとんどペダル踏みに終始。サイクリングを楽しむにしてはややヘビーであったが、なかなかよい山域である。今日の三ツ石林道から浅間山はそのほんの一部に過ぎない。稜線の続きには、まだ、雪入山や剣が峰など、踏んでみたいピークがある。秋なら稜線から霞ヶ浦の眺望がすばらしいだろう。また浜風で行くかと聞かれると、少々考えるが。ははは。

  
   
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