OJerBlog
 
Web散策 2009年10月7日

気になったことがあるとWebを検索しまわるのが日常化している。実用的な情報は手軽にヒットするが、少し込み入った条件がからむと、大方、クズのような情報か、オリジナルのカット&ペーストがほとんど。自分もこれを書いていてなんだが、とくにブログはまずゴミ。ゴミが上層に溢れて、本当の情報が隠されてしまうのが悩みだ。

だが、ときどきドスンとこたえるサイトや、キラッと光るサイトに遭遇することもある。

土日の自転車散歩で寺社を巡るあいだに、日本の建築技術について知りたくなり、いろいろ調べているうちに下山眞司氏のブログ(建築をめぐる話・・・・・つくることの原点を考える)に遭遇した。こうした内容の充実したブログ(書籍にすると何冊分かになる)は、きわめてまれといっていい。下山さんの場合、書籍という限定的なメディアより、Webのもつ特性に着目して発言の場に選んでいるという印象がある。下山サイトのように、多方面の話題が含まれていると、一連のテーマで通して読むには、ブログという形式ははなはだやりにくい。そこで、興味のあるテーマに絞ってダウンロードし、Wordで一本にまとめて目次と索引を付け、それをPDF化しつつ通読した。内容が濃いのでそれなりに時間を要したが、非常に勉強になった。これで散歩がさらに面白くなる。

建築資料の検索熱も冷め(?)、現在は、どんな農法があるか調べている。もちろん自分の畑で(というほどのものではないが、それでもまあ)やってみようという魂胆だ。自然農法、有機農法、不耕起農法、無施肥農法、EM農法などいろいろある。似た人もいるもので「農法あれこれウォッチング」(こちらは…being to be professional)というサイトまであって、ここを見るとどんな農法があるか一目である(コメントの正否は別)。

適当に葉物をばらまいたいい加減な畑 →ここ???で炭素循環農法

これら諸農法、どういうものか細部を読み進めていくと、行き着くところ、どうも宗教の匂いがただよってくる。それは、自然農法とか有機農法の発想が、その根源を大本教、世界救世教などの信仰的実践活動としての農業に端を発していることを知って、なるほどと納得した。外来ではシュタイナーのバイオダイナミック農法があった。シュタイナーは教育者として名前くらいは知っていたが、この農法もその人となりも相当に神がかったところがある。

で、結局、たどり着いたのは『炭素循環農法』。猟渉した多くのHPのなかでは一本、論理の筋が通っているように見え、バイオやケミに弱い当方だが、曲がりなりにも納得できる。

論旨はこうだ。慣行農法の野菜の生育方法は異常で、人間に例えれば、無菌室で点滴を打って育てているようなものだという。無菌室が農薬漬けの耕地であり、点滴が化学肥料に相当する。そうしたことを廃し、大地にまず自然な菌や細菌を育て、それらの代謝物(栄養)によって野菜を育てよ、それが自然の摂理だという。畑に与えるのは野菜への肥料ではなく、菌や細菌の餌となる高炭素資料(緑肥や廃菌床)だ。その結果、野菜は健康になり虫も着かず収量も上がり、畑の管理が容易になる。ただし、あまりに事例の成果が完璧すぎて夢心地の感なきにしもあらず。

このサイト、宗教には一切関係ないと断りながらも、デザインを見るとなんとなくクンクンするところがある。まだ内容を消化し切れていないが、これをわがネコの額で再現するにはどうするか思案中。

農法探索の過程で、偶然、面白い、というか、良質のホームページを見つけた。ドスンでなくキラリの方である。我が家の近辺で、具体的に農法を実践しているところは?といったキーワードで検索したときだったと思う。目的とはまったく無関係だったが、下記のサイトが見つかった。

里山と雑木林の生ものたち」 里山環境生物学研究所

一見、どこにでもあるような趣味横溢のサイトだが、ページを2、3めくるうちに、たちまち引き込まれた。文章に透明感があって、内容はさりげなく正確。自分も同じようなことをやっているが比べようもない。とくにエッセイはなかなの読み物で、完全脱帽! プロフィールを読んで納得はしたが、学者だから文章が旨いとは限るまい。

このサイトに出遭って、嬉しくなって、こんなつまらないブログを書いてしまった。ぽりぽり。

  
   
現在の閲覧者数:
inserted by FC2 system