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刈草の押し切り 2010年7月11日

刈草が大分溜まっている。近所の空き地や家の周囲で刈りこんで集めておいたものだ。少し乾燥させて青みのとんだところで、細かく切って肥料にする。いま試みている炭素循環農法では、有機、無機を問わず通常の肥料は使わない。炭素資材(木材チップ、おがくず、籾殻、廃菌床など)を畑に鋤込んで土に混ぜ、土壌菌による有機物の分解過程で生じる養分が野菜の肥料になる。だから、気の長い話しで、炭素資材を投入してから肥料として有効になるまで3カ月ほどを要する。炭素資材として何がいいかまだ結論は出ていないようだが、ぼくの場合は、一番安上がりな雑草を利用することにした。なんたってタダ。しかし、重労働は伴う。

刈草はそのままでは鋤込むのに長すぎるので、適当な長さに切らねばならぬ。刈草を切り刻むために「押し切り」を買った。まさに押し切りで、下の刃と上のレバーの間に草を挟んで押し切る。レバーの押し下げに連動して下の刃がわずかだが水平に移動する(写真では左→右)ので切りやすくなる。

押し切りまるで逆向きのギロチン
溜まった刈草

駐車場に溜まった刈草の山を見ると、これをすべて切り刻むのかとため息がでる。どこからどう手を着ければよいか? この刈草をどう配置すれば作業がしやすいか? 刈草を移動するだけでも大変な作業だし、うまくいかなくてやり直すなんてとんでもない。いい考えも浮かばないので、天地逆に置いたビールケースに押し切りを乗せて作業場とし、取りあえずはじめてみた。で、すぐにわかったのは、大量の刈草を動かすより、こちらのコンパクトな作業場所を移動すれば済むということ。なんと実用的な相対原理、ははは。

作業環境刃に添えてある金属板で刃を左へずらす

何度か押し切り作業をしていると、押し切り器がガタつくことが気になりだした。押し切りは安定のために長めの板に取りつけてある。しかし、全体の重量が軽すぎて柄を引き上げるときに本体が浮き上がってしまう。何度も切っていると切りきれない草が挟まって、よけいその頻度が多くなる。

重石は鉄アレイ 6×2=12キロ手前は刈草、奥は切ったあと

押し切りに重石を置くとぴたっとガタつきが止まって作業がやりやすくなった。

まだ切れたのは作業位置の左奥の山だけ自動フィード 左から送り込むだけ

次に、刈草の供給方法が問題になった。左手で握れるくらいの量を束ねて、押し切りへ送り込むのだが、ぐじゃぐじゃに絡みあった枯れ草を左手だけで適当な束にするのは結構難しい。しかし、これもすぐに解決した。左手で枯れ草の山から適当な部分をつかみだして先端を押し切り、つかんだ部分をそのまま刃の右へ送り出す。絡みあった枯れ草はずるずる引き込まれて刃の下にくる。わざわざ束ねる必要などない。つまり、自動フィード方式が確立した。こうなると作業はどんどん進む。

家側の列を終わり…………塀側の列へ

作業速度が速くなり供給量が増えると、押し切りに必要な力も増す。そうなると腰掛けの位置が低すぎて押す力が不足する。腰掛けを椅子に替える。さらに、速度が速まるとついには、中腰で草をつかんでどんどん引き込む。ただし、これは腰に応えるのであまり長くはできない。

押し切り終了

というわけで、駐車場いっぱいに広がった刈草の山を見たときは、2〜3日はかかるかとおもった作業が、あっけなく午前中で終了した。雑然と積まれていた刈草も、切り整えてみるとさほどの量でもなかったのは、少し残念。これからもせっせと刈りこんでは畑にフィードしなければならない。

刃こぼれがあちこちに

刈りこんだ草には小石などが混じっている。それがたまたま刃にあたるとガリッと嫌な音がして、これこの通り。あの怖いように鋭利だった刃先もこの有様。これはまあ、しかたないだろうな。

気になったのは作業の危険性だ。草束を押し込むときには左手で握って固定したところを押し切る。うっかりすると指をやられる可能性がある。もちろん気をつけて軍手を二重にはめはしたが、安心できない。安全靴ではないが、なにか剪断に強い素材の手袋を探さねばなるまい。

本日はこれまで。

  
   
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