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浜風納めの…… 2010年12月29日

今年の浜風の乗り納めにと横利根閘門 から足を伸ばして佐原の観福寺を目標とした。今日は快晴だが北西風が強い。ときに歩くほどの早さに押し戻されながら浜風を漕いだ。佐原まではなじみの道だが、浜風も畦道向きのホイールになったこととて、GPSナビはことさら田舎道を選んで設定した。

GPSナビの案内する道これを行くの?

うんざりするほど北風に叩かれながら幾度か起伏を越えて、もうそろそろ霞ヶ浦が見えようかという最後の坂の果てに、社叢に囲まれた神社があった。境内はまったく無風で嘘のようなぽかぽか陽気である。神域は丘の上にあるが鎮守の森が防風林になって北風を寄せつけない。森の樹冠は吹き越す風になぶられてゴーゴーと悲鳴をあげているが、南向きの鳥居はたっぷり日射しを浴びて境内は静まりかえっている。

日吉山王神社もちろん比叡山の麓のあそこから……
このあたりがアリドオシの北限だとあるこれがアリドオシ(蟻通し)
 
本殿
整理された末社の祠か 奥は神木のスギそれでは失礼

そして事件がはじまる

いい神社に会えたとご機嫌で鳥居の脇に止めてあった浜風にまたがる。快適な滑り出しを期待してペダルを踏み込んだが、予期した弾力ではなくゴリゴリといやな振動が尻に響いてきた。慌てて下りて、様子を見ると、なんと、浜風の前輪の、新品のタイヤがぺしゃんこになっている。信じがたいがパンクである。何でまた、ここでこんなことに!!! まだ2回目の新品だぜ。勘弁してくれよ。さっきまでしっかり走ってくれたじゃないか。

ぺしゃんこのタイヤタイヤを外し

しかし、ま、ここは覚悟を決めて直すっきゃないのである。日は燦々と降り注いで無風。黙っているだけでも楽しいところだ。のんびり直せばいい。といっても、家でタイプの違うタイヤのパンク修理を1回やったことがあるだけで、出先で事故は始めて。

ザックに常備のパンク修理用具を取り出し、ホイールを外し、いささか苦労をしてタイヤを外し、さらにチューブを取り出す。しかし、ハタと困った。チューブを回しながらいくら眺めてもどこに穴が空いているかとんとわからない。自転車屋さんのように洗面器に水をはってチューブをつっこむわけにいかない。

 
苦労してチューブを取り出す

まてよ、ここは神社。御手洗(みたらし)があるのだ。氏子の方々に申し訳ないが、ここにチューブを突っ込んでそろりと回した。

この御手洗にチューブをああ、ここだ、ぶくぶく泡が

泡の出た場所をよくみるとほんのわずか、針で突いたような穴があった。こいつが原因だ。まだ新品もいいところだが、よくある初期不良であろう。

神社前に散乱する浜風の部品
穴を塞ぎ空気を入れる

チューブのゴムの表面をヤスリで擦って表面積を増やし、接着剤を塗り、そこへゴムのパッチを貼り付け、ローラーで圧着させる。わかっていても慣れないので手順が悪い。それに穴の場所がバルブの真裏なので、パッチにローラーを掛けるときに下にバルブを敷いていることになり、均等に圧がかからない。なかなかうまくいかず、一度剥がして別のパッチを貼り替えたりと大分時間を要した。それに、小さな手押しポンプで十分空気を入れのは大変な労働でもあり、時間がかかる。

やっと治ったのでござる

パンク修理など本来たいした手間ではないが、出先でのはじめての経験をなんとかしのいて、いきようようと出発した。日吉山王神社に神前を拝借した感謝の柏手を打ったことは言うまでもない。

またかい

ところが北利根橋のたもとまできたとき、後輪がガチャ、ガチャ、ガチャ、シューと異様な騒音を立てた。浜風を止めて後輪を見ると、タイヤに釘が刺さっている(この写真を撮らなかったのが惜しまれるが、それどころじゃないんだ)。しかも、直角に曲げた釘だ。慌てて引き抜いたとたんにプッシューと空気が完全に抜けてしまった。

前輪のパンクを直して、5分もたたないのに、後輪がパンク? 嘘だろう。といっても嘘ではないのである。場所が北利根川を渡る国道51号と県道の立体交差の下の交差点で、通行量は多く風はふきすさむ。同じパンクでもさっきの神社とは天国と地獄。なんとか交差点の近くの風の当たらない陽当たりのいい場所を選んで作業を始めた。

 
今度は後輪パンク 幹線道路脇で交通量多く、場所は最悪

釘の形状から悪戯で撒かれたものだろう。さがせば同じような釘が沢山ほかにもあったはず。

これが刺さっていた目視で分かる穴が

幸い目視で穴の場所が特定でき、修理もさっきやったばかりだから多少は手早く終わった。慣れるとホイールからタイヤを外すのはすいすいとできる。要はホイールの外径よりタイヤに内径が小さいから、タイヤの弾力に勝ってタイヤ内周がホイール外周をまたぐようにしないと、外せないし填らないということ。どこでまたがせるかを決めれば、力のかけ方もおのずとわかる。

そりゃないよ

しかし、次の写真を見て欲しい。チューブが2つ見えるよね。実は、後輪の修理が終わって前輪をみたら、前輪がまたもぺしゃんこになっていたのだ…………

 
2輪同時パンク

3連続のパンク? こうなるといささか平静を失うが、もちろん、これも直さなければならぬ。またもホイールを外してチューブを取り出す(流石に手慣れて素早く)。ところが今度は空気漏れの場所を確認できない。耳を当てても周囲の車騒音で聞こえない。飲料水をチューブに掛けてみたが玉となって表面を転がりおちてしまう。残念ながら交差点に御手洗はない。

万事窮したかとみえたが、それなりに思い当たるのは、最初の修理が不完全だったということである。思いきって修理カ所を剥がして(剥がせるってのが完全に固着してないってことであるが)、もいちど接着剤を塗ってみた。すると、接着剤にぷくぷくと泡が立った。しかし、あああなんたること。その泡立っているカ所は、修理した場所を外れている。老眼のせいか、視覚記憶のボケのせいか、なさけなや。さっきの修理は穴の空いている場所を塞いでいなかったのだ。それでも空気は入ったようだったし、しばらくは走れた。ピンホール程度の空気漏れは加重してチューブがタイヤに圧着しているほうが漏れにくいのだろう。

両輪のパンク修理を終えると流石にもう先へ進む気になれない。それよりも、修理用のゴムパッチが4枚しかなく、最初のパンクで2枚、ここで2枚使ったのでもう予備がない。この修理が保つことを願いながら早く家へ帰る以外はない。

教訓

パンクへの対応には予備のチューブを持参することが一番早く確実(ザックは重くなるが)。今回のようなこともあるから、さらに予備としてパンク修理キットを用意するにしても、現場で空気漏れ位置を確定するのは極めて困難。

追加 望ましくは、それにCo2インフレ−マーとCo2カートリッジ(と気圧ゲージ ← 圧の正確を期したければ)あると楽だろう。手押しのポンプは一時しのぎにはなるが、通常の体力と通常の性能の手押しポンプでは、とてもタイヤの標準圧まで届かない。ただし、その場合でも空気入れは必携だ。ちょこっと圧を入れてチューブを扱いやすくするとか、空気漏れの確認をするとか、(経験はしていないが)とにかくCo2インフレ−マーは原理からして小出しの調整はしにくそうだ。

−−− 〇 −−−

→ マップ 補正は-130m

さて、もうパンクの話はやめよう。帰りは浜風の様子をみながら走ったが、どうやら無事に帰れそうである。昼はとうに回っていたので、途中でサンドとお茶(流石に泡という気分にならない)を買って、潮来県民の森のビジターセンターで遅めの昼食。このベンチが快適で、差し込む冬の斜光を浴びながらのんびりサンドをほおばっていると、得がたい経験をしたような気がして、なんだか楽しくなった。思わず、泡にすればよかったと後悔。ははは、懲りないやっちゃ。

斜光を浴びて遅昼

大生神社の旧神宮寺文殊院。以前にも取り上げたことがある。

 

前回気づかなかったのだが、このあたりは、愛犬をこうして供養する風習があるようだ。木の股を墓碑に使っている。

 
文殊院の大カヤ

ここはカヤが有名だが、その脇のマテバシイの様子もなかなかのもの。

 
左マテバシイ、右タブノキ

お疲れ様。本日はこれまで。

  
   
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