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山の思い出

日の目を見た30年以上前の山行記録「今年の山、そして剣のこと」

鹿嶋産ベーコン 2009年1月27日

引越のときどうしても持ってこられなかったのは燻製炉だ。コンクリートブロック製だから引越のしようがない。こちらへ来てからはしばらく市販のベーコンで我慢していたが、自分で作った味と香りを経験してしまうと、なんとも物足りない。

先週、引越の段ボールを片付けていたら、衣装箱があった。衣紋掛けに吊した状態で運べる大きな段ボール箱だ。これなら十分燻製ができる。実際、段ボール製の簡易スモーカーが商品化されている。紙の中で火を使うのにいささか不安はあるが、大きさは旧鳩ヶ谷燻製炉よりも容積がある。とくに鳩ヶ谷のは高さがもう少し欲しいと思っていたので、寸法だけなら、この衣装箱のほうが条件がいい。さっそく試してみた。

引っ越し用の衣装箱
マジックテープで止める
中に入れる棚

衣装箱はほとんど手を加える必要がない。内部に肉を吊るための棚がいる。それは、鳩ヶ谷から持参したカーテンレールと親友のN大工氏から頂戴した角材を組み合わせて、でっちあげた。この手のものはからきし才能がない。まあ、かろうじて直立しているからよしとしよう。

棚を中に入れるヒーターを2台セット
太めの針金を切ってフックを作る

スモーカーの用意と平行して、一週間まえからハーブ漬けにしておいた肉を風干する。風干については、鳩ヶ谷では冷蔵庫で一晩乾燥させて、さらに室内で扇風機を当ててごまかしていたが、こちらは十分スペースがあるので、適当な道具を作って、まともに風干をやってみることにした。適当な道具とは、洗濯屋の衣紋掛けを2つ組み合わせて、それをアルミパイプ(初代デリカのカーテンレール)で補強したものだ。

風干用小道具吊すとこうなる

風干ははじめベランダでやったが、日当たりがよすぎるので、北側へ吊した。仕事部屋の窓のところだから、カラスやネコに狙われないように監視できる。応急でカラビナを使ったが、別途作った針金フックで十分。このフックがカーテンレールの溝にぴったりはまる。

八甲田で野菜冷やしに使っていたネットを被せる仕事部屋から監視できる
風干の終わった肉をセット温度計、サーモスタットもセット

温度計、サーモスタットは段ボールだから差し込めば済む。念のため消化器を置いておいたが、知らないまに倒れでもしないかぎり心配なさそうだ。空気漏れを少なくするため紐で胴を絞めた。

温干は2時間、燻蒸は4時間である。温干の電源を入れたのは2時前。温度の推移を見ていたが非常に順調。鳩ヶ谷の大仰な燻製炉より温度が安定している。なんのこっちゃ。

4時に温干が終わって、燻蒸を開始。ここまでのところトラブルはない。あとは1時間に1回ほどチップを補給するだけだ。

仕上がり予定は8時。わが家の夕食は7〜9時なので7時前に夕食の支度を始めた。料理に火を使うと結構大きな音がするものだが、それにしても表が騒がしい。ベランダへ出ると、なんと、日本全国晴天のような気象予報なのに大粒の雨が降っている。これは大事である。段ボールに水は大敵。さてどうするかと思案したが、空を見ると星が出ている。これは通り雨だろうと判断して、スモーカーにブルーシートをかけて、夕飯の支度を続けた。食事をはじまって、しばらくして様子を見ると、雨音はしなくなったが、しとしと雨が降り続いていて、星も隠れてしまった。こうなるといたしかたない。電源ケーブルは十分長いので、スモーカーを移動して、車のバックドアの下に入れ、下にはビールケースを置いて水に濡れないようにした。とまあ、順調、一転、大騒ぎでなんとかベーコンはできあがった。

もうケーブルは外し余熱で保温中ブルーシートを外す
中の様子
はいできあがり 左は豚バラ、右は鶏の胸肉

とんだ騒動だったが、なんとかベーコンはできあがった。色つやがいまいちであるが、段ボール・スモーカーの初回としてはこんなものか。このスモーカーに合わせて温度、チップの量などもう一工夫必要なようだ。

色が冴えないのは容積が大きいわりに、チップがやや少なめだったせいだろう。室内の煙の濃度がやや足りなかったか。温度の制御も、鳩ヶ谷の燻製炉とは大分違いがあった。温度計の指示とサーモスタットの設定が、鳩ヶ谷では5度くらいだったが、このスモーカーでは10度近くある。ま、いろいろ試行錯誤は必要なようだ。

畳んでしまえばこのとおり
  
   
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